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寅さんに学ぶ「一人旅」の極意(2ページ目)

8月4日は渥美清さんの13回忌であり、今年は「男はつらいよ」誕生40周年。この機会に寅さんを観て一人旅に出よう。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

寅さんの姿を追い、一人旅。

別所温泉「北向観音」参道
「別所温泉」の北向観音参道も映画に登場する。「信州の鎌倉」と呼ばれ、一人旅にお似合いの温泉だ。
まずは、第40作(「男はつらいよ」寅次郎サラダ記念日)の舞台ともなった、長野県の「小諸」。この作品では早稲田大学もロケ地になっています。寅さんの面白いのは、毎回必ず、テキ屋の口上のほかにも、人生評論まで語ってくれること。今回は、大学に行く意味を満男くんに語っています。
古城の街、小諸は、山田洋次監督との親交も深く、「寅さん記念館」もあり、ぜひ訪ねてみたい町です。
さて、小諸に立ち寄った後は、上田から上田電鉄別所線に乗り、「信州の鎌倉」と呼ばれる「別所温泉」へ。
別所温泉は、第18作(「男はつらいよ」寅次郎純情詩集)の舞台になった温泉地。南向きの善光寺(長野市)に対面する位置関係にあり、両方お参りすることで厄除けが成就できると言われる「北向観音」を中心にこじんまりと肩を寄せ合う温泉です。北向観音のほか、常楽寺安楽寺という名刹もあり、レトロな町は半日かけてゆっくり散策を楽しめます。常楽寺門前のお茶の間さんでは、ぜひ名物の草だんごを。

別所温泉駅駅長
上田電鉄「別所温泉駅」の駅長。大正浪漫あふれるいでたちで迎えてくれる。この駅で売ってくれる切符は懐かしい「硬券」だ。
そして、北向観音の参道に立つ土産物店「三楽」さんが、映画に「いづみ屋旅館」として登場します。宿の名前を貸し、山田洋次監督が脚本を客間で書いた「和泉屋旅館」も健在です。
宿泊はその和泉屋さんでもよいですが、一人旅なら「上松屋旅館」へ。「一人旅歓迎」、「心の自由劇場」を標ぼうし、寅さんの足跡を寺町の温泉までたどってきた私にぴったりではないですか。かばんにしのばせる一冊は、こんな本はいかがでしょう。
寅さんの一人旅とは、実は「出会いの旅」。寅さんは、映画を通じて、「自分をみつめ、旅情を楽しむだけでなく、自然体でいろんな人と会話をすることで、人生ひらけるよ」、そんな極意を教えてくれているんではないかと思います。

湯平温泉
石畳の坂がつづく、ひなびた風情の湯平温泉。寅さんもこの湯を訪ねた。
信州への一人旅で、一人旅に慣れたなら、次は九州の旅へ。
由布院温泉の隣町、石畳の坂が旅情を誘う湯治場「湯平温泉」には、第30作(「男はつらいよ」花も嵐も寅次郎)に湯平荘として登場する「白雲荘」があります。湯平温泉は、寅さんのロケ地として、駅舎にも写真が貼ってあったり、その風情は寅さんの映画や一人旅にぴったり。次回は、湯平温泉を訪ねる一人旅はいかがでしょう。
さて、その他にも、Yahoo!JAPAN「男はつらいよ」40周年記念特集ページ(08年8月31日まで)では、ロケ地検索ができたりしますので、ぜひ、寅さんを観てその舞台を訪ねる一人旅をしてみては!
さあ、皆さんも、夏の暑さになんか負けていないで、一人旅をしてみませんか!?
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