いざ、大峯山寺へ
起床は深夜2時。眠い目をこすりながら、2:30に宿を出発します。洞川は熊野川最上流の名水の地。名水「ごろごろ水」のペットボトルもザックに忍ばせましょう。女性と一緒に来たのなら、女性の方は朝までゆっくりお休みください。役行者の母君が修行の身の息子をここで案じたとされる「母公堂」を通り、女人結界門まで徒歩で約1時間。朝食後、朝の散歩がてら連れの方を迎えてあげましょう。結界門近くの遥拝所からは、山上ヶ岳山頂と西の覗きの絶壁も望めます。
女人結界門までは宿の車で約10分。持参したヘッドライトを点け、いよいよ結界をくぐり、暗い山道を歩み始めます。行者さんたちの「六根清浄」と唱える声。世の執着を絶ち、不浄なものを見ない、聞かない、嗅がない、味あわない、触れない、感じない、と念ずる修行者の掛け声です。同じように唱えつつ登りましょう。
山上ヶ岳への山道はこんな感じの急登が続く。(世界遺産.infoさんのHPより) |
途中「行場道」と「新道」の分岐がありますが、迷わず行場道へ(下りは新道を通ります)。鐘掛岩の大きな鎖場を、行者にならい無心で通過し、祠の立つ「西の覗き」へ。希望者は、肩に巻いた命綱を他人に託し、目もくらむ高さの絶壁を覗く荒行を。自らの悪行を懺悔し、身を捨てる思いになることにこの荒行の意味があるといいます。
立派な破風の玄関を持つ宿坊が五軒、斜面に並んでいる。 |
妙覚門をくぐれば、大峯山寺本堂もすぐ。 |
お参り後は、来た道を戻ります。途中、行者さんや登山者に会った際には「ようお参り」と声を掛け合うのがルール。同じ志をもって行に励み、お参りする者同士の心のこもった挨拶です。
夜も明けぬ3時前に登り始めて6時間後、9時に登山口の女人結界門まで戻ってきます。
女性の同行者がいればここで迎えられ、宿の車に乗り、旅館に戻って温泉で一服。湯上がりに朝からビール、といきたいところですが、山伏体験はこの後、龍泉寺で行われる修了証授与式まで。精進揚げのお昼ご飯までの我慢です。
さて、皆様も、修験道の聖地での「山伏修行一日入門」はいかがでしょう。
山伏修行一日入門。
申込みは、「大峯山洞川温泉旅館組合」まで。
電話 0747-64-0820