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鬼怒川温泉「あさやホテル」リニューアルオープン! 鬼怒川温泉再生旅館レポート(2ページ目)

鬼怒川温泉の再生旅館がオープンしました。そこには、新しい旅館戦略が隠されています。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

「鬼」をテーマにした和風館

料亭「吉鬼亭」
長屋門に印半纏が目印の料亭「吉鬼亭」。庄屋屋敷がモチーフとなっている。
あさやホテルには、温泉旅館の浴衣で滞在できる「気楽さ」とホテルのような「多機能」の両方を備えた「秀峰館」のほかに、和風館「八番館」があります。こちらは、外食大手の際コーポレーションがプロデュース。明るい秀峰館の一角にある門をくぐり、真っ暗のなかに行灯が燈る通路を進むと・・・
そこは、古きよき旅館のまま。接客係がお部屋で接茶、接待。希望した場合は、お部屋で食事も可能です。八番館では、本格日本料理が供されますが、お部屋でない場合、料亭「吉鬼亭」でいただきます。

料亭「緑酔」
料亭には椅子席もあり、一部屋ずつ違う「幸福を呼ぶ鬼」が掛けられている。
料亭はじめ全ての部屋には、アーティストが描いた「幸福を呼ぶ鬼」の絵が掛けられ、今までの旅館にない設えに新鮮さを感じます。
あさやホテルの戦略は、「温泉旅館。目的や同行者に応じてどこがベストなのかわからない。それなら、ここ一軒覚えておけば、いろんな目的に対応が可能。例えば、老親へのプレゼント(八番館に日本食)、気のあう二人で温泉癒し旅(セラピールームに和風ダイニング)、わいわい家族旅行(秀峰館和室にビュッフェ)、仕事を抱えて一人旅(洋室にフードコート)。」という大型旅館ならではの汎用性にあり、「馴染み客を増やしていくこと」が事業目的として掲げられています。
これまでの旅館。高い料金だと「いい部屋にいい料理」、安くなると「裏部屋に安い料理」と決められ、内容選択など全く不可能でした。しかし、これからの旅館再生には「利用者の立場に立った選べる仕組み」と「馴染み客を増やしていく事業モデル」が必須です。
さて、あさや方式は、これからどう広がっていくでしょうか。何もしなければ淘汰が進む温泉旅館。「待ったなし」の時代に、新しいソフトが誕生し始めました。これからの新しい日本の宿に期待していましょう!



あさやホテル
栃木県塩谷郡藤原町滝813
0120(02)1126(フリーダイヤル)
東武浅草駅から特急スペーシアで約110分。鬼怒川温泉駅よりダイヤルバスで約10分。
一泊二食付き約1万円(税・サービス料込み)~
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