幽玄な夜空が破壊者の火で紅く染まらないうちに。
偲豊庵へ・・・。 |
夜の庭に一歩踏み出せば、フクロウでも啼きそうな幽玄な月夜。
周囲見渡せど、草木しか目に入りません。
かくも有馬は「自然が豊か」です。
さて「偲豊庵」には、靴を脱いでお邪魔します。
奥へ進み、障子を開けてみると、そこは・・・隠し湯。
そうです。そこは、特別な粋人だけが通される貸切半露天風呂。
表に向いた障子を開け放ちましょう。
そこには、有馬の夜の静寂と空気が漂っています。
その他、多々仕掛けがありますが、後は行った方のお楽しみ。
この「偲豊庵」。今までは、一般開放していませんでしたが、御所坊「雲山・聴水御坊バストイレ付きの客室」に泊まった方、数組様に限り、2005年1月11日より当日のお申し出にて「もらい湯」できることになりました。
ただし、
この湯は、あくまで静寂を愉しむ神聖なる湯にして、酔客、少々騒々しいお客様等は謹んでご遠慮お願いしております。また、湯は温泉ではありません。有馬に来られたならば、大浴場もしくは外湯の有馬の「金泉・銀泉」を存分にお楽しみ下さい。
ところで、なぜこの湯が開放に至ったかというと、それは「自然・文化の破壊」への警鐘として。
実は、有馬温泉は神戸市内にあっても、古くからの湯街であるがゆえに、道が狭く、入り組み、その代わりとして「静寂」が保たれています。六甲山に続く森も豊かです。
しかし、このご時世にあって、こともあろうに、バイパス道路をどーんと温泉街の真ん中に通そうという計画が実行されつつあるのです。週末の渋滞緩和が目的だそうですが、バイパスを温泉街の真ん中に通して成功した温泉地があったでしょうか。車排除が世界的、時代的要求のような気がします。もちろん諸々の利害もあるのでしょうが、どうか、ソフト重視、人間重視、環境重視の流れも汲んでいただきたいと願っています。
そこで、金井さんは、「偲豊庵」を通じて有馬の静寂や空気を一人でも多く体感してもらおうとと、開放することにしたそうです。折角のこの機会に、この幻想的な湯を体験し「百年の知己」を得てみてください。
有馬の静寂が破られ、エンジン音が響き渡り、
せっかくの闇が多くの常夜灯で紅く染まってしまわないことを祈りつつ。
陶泉御所坊
〒651-1401 神戸市北区有馬町858
電話078-904-0551(代)
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