龍神温泉「上御殿」
美人の湯はとてもクラシック。 |
さて、「龍神温泉」は、群馬県の「川中温泉」、島根県の「湯の川温泉」と並んで「日本三美人の湯」と呼ばれる山の湯。日高川に沿って、紀伊の殿様も鷹狩りにやってきたという由緒ある温泉です。
その中で、「旅籠」と呼ぶに相応しい佇まいの旅館「上御殿」は、紀州徳川家御用達の湯。当時殿様が湯浴みにやってきて泊まった御成りの間が玄関脇に復元されています。
木造の館内は冬は底冷えしますが、肌がすべすべになるラジウム含有炭酸水素泉の桧風呂に浸かれば、芯からぽかぽか。
温泉で英気を養ったら、さて中辺路へ移動、熊野古道ウォークの始まりです。
中辺路「とがの木茶屋」
熊野古道の脇に佇む。 |
熊野古道の玄関口は「滝尻バス停」。すぐ近くの熊野古道館でマップやスタンプ帳をゲット。車で来られた方はここから本日の宿の近く近露王子まで、車の有料搬送サービスもあります。
さて、熊野古道館のある「滝尻王子」からスタートする、丸二日がかりの熊野古道ウォーク。これが今、静かな人気。紀伊半島を中心にある九十九王子(王子とは熊野の分祠社のこと)を辿る参詣路です。はい、これがまさに世界遺産。蟻の熊野詣でと呼ばれるほど多くの民衆が向かった熊野大社への道を、えっちらおっちら辿るのも一生の思い出になるでしょう。
午前中に歩き出し、山越え谷越え、夕方にたどり着くのが今宵の宿屋「とがの木茶屋」。継桜王子の古道沿いにぽつんと一軒ある茅葺きの茶屋(もちろん宿泊も可能)です。
軒には野菜がぶら下がり、居間の囲炉裏には茶粥が煮える・・・まさに、タイムスリップした一夜が過ごせます。ふくろうが鳴き、星がまたたく、山の夜に熊野参詣に向かう人々は何を思ったのでしょう。
さあ、世界遺産の旅は、いよいよ熊野本宮へ。
峠を越え、大社に詣で、最後は海の幸とビールで打上げだ!
次に訪問する山の向こうの湯宿は、次ページ。