旅館/宿・旅館関連情報

食欲の秋!世代を超えて愛される、母娘で行く老舗旅館 全国の「花屋」旅館に注目!

期せずして「花屋」と名付けられた全国の老舗宿には名旅館がいっぱい。美味しいものがお膳に並ぶこの季節、母娘で出掛けてみませんか!

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

江戸創業、源泉の温泉宿で味わう本場鳥取の松葉がに!
岩井温泉「花屋」(山陰)


湯船の中、柄杓で拍子をとって歌う“湯かむり唄”の故郷「岩井温泉」。古い街道に沿って5軒の宿が肩を寄せ合う静かな温泉街です。
開湯は江戸時代。山陰一の古湯で「その泉質は日本一」といわれる湯の町の街角に、鉄筋の旅館に挟まれた小さな10室の木造宿があります。
それが「花屋」。
湯は自家源泉掛け流し、料理は既製品を一切使わない手作り、人懐こいサービスの、家庭的な老舗宿。
決して立派な設備はありませんが、料理をゆっくりお部屋でいただけ、小さいながら檜の湯船は適温なので身も心もリラックスできるお宿です。価格も高くはないので、馴染みにできれば最高です。
そして何より、地元の網代港・田後港は、松葉ガニ漁獲高鳥取一。冬には、温泉街がカニ一色に染まります。輸入ものが幅を利かす今、本場の松葉ガニを堪能してみてはいかがでしょう!
それとも、カニ漁で採れる深海魚“ババア”を煮た「ババちゃん鍋」でも。「父さんがいたらきっと茶化すだろうね」って母娘で笑いながらつつくのも女だけの気楽な旅ならでこそ。
そして、ぜひ覗いていって欲しいのが、向かいの木造三階建ての本館(写真下)。旅館の面影を残す建物は、昭和初期、不思議な小説を残し姿を消した「幻」の女流作家「尾崎翠」の記念館になっています。

「恋愛に成功するのは、植物の蘚(こけ)だけ。人間はみな、片恋か失恋ばかりしている」と小説に綴り、34歳の時精神の病に倒れ、姿を消した翠。81歳でこの世を去るまで、不思議な一生をたどった彼女の根強いファンが生誕の地、岩井温泉に足を運んでいます。
代々の伝統を受け継ぐ若主人の伊藤さんに花屋の由来を尋ねると「正直、わからないんです。糀屋と言った頃もあるみたいだし、江戸時代からのことなので・・・」と「謎」に包まれたまま。
この冬、母娘で「幻と謎」の古湯に、本物の温泉と松葉がにを満喫しに行きませんか!?


住所 鳥取県岩美郡岩美町岩井546
電話 0857-72-1431
料金 15,000円~18,000円(2名一室の時の一名料金、サ込税別)
   ※カニスキコースの場合は20,000円位~(要問合せ)
HP http://www.hanayaryokan.com/
交通 JR山陰本線岩美駅より岩井温泉行バス8分岩井温泉下車
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