日雇い労働者の街からビジネスマンの街へ
東京の南千住と浅草の間に位置する通称「山谷」と言えば、日雇い労働者の簡易宿泊所(通称「宿」の逆さ語である「ドヤ」)街として知られてました。しかし、今では出張族や東京ディズニーリゾートの袋を提げた観光客御用達の宿街として”変容”してきているのです。
南千住から徒歩10分。山谷の中心近くに建つ「ホテル寿陽長寿館」は、W杯期間中、多くのイングランドサポーターであふれていました。
鉄筋10階建ての瀟洒なマンション風のホテルは今年大改装し、一般客に対象を切り替えたのです。和室三畳の個室が百室以上。一泊素泊まり3,200円という破格さもあって出張会社員にまず人気が出始め、今ではリピーターもずいぶん増えてきました。
部屋にはバス・トイレなどの設備は一切ありませんが、TV・布団・シーツ・浴衣の用意があります。トイレ・大浴場(女性専用タイムあり)は共同。女性も安心して泊まれるよう2階は女性専用フロア(シャワールームあり)になっています。1階には無料インターネット接続PCなどが用意され、泊まるだけなら何の不自由もありません。
寿陽から南に5分のところにある「ビジネスホテル福田屋」。こちらは一泊2,700円とカプセルホテルより安い! 以前は日雇い専門の宿でしたが、今では9割が出張族で、大手企業の社員が多いとのこと。改装して女性用にシャワールームを作ったので、今では外資系企業に勤務するOLも泊まるそう。週末以外がほぼ満室が続きますが、当初は「なぜこんなに安いのか」だいぶ疑われたようです。