円高になったら外貨商品もチェック
投資につきものの値動きのリスクを抑えるには、分散投資が効果的です。通貨の分散もまた然り。「資産を円建てのマネー商品だけでかためずに、外貨商品も組み入れて通貨分散を図るといいでしょう」(藤川さん)
外貨投資の利益の源泉は、為替差益と円建て商品よりも高い傾向にある金利収入です。為替差益とは、外貨商品を円高で買って円安で売ったときの差額による利益のこと。反対に円安で買って円高で売ると、その差額が為替差損という損失になるので要注意です。
外貨商品を組み込む割合は、一般的に資産全体の1~2割程度と言われています。それに近づくように、円高のタイミングをとらえながら少しずつ外貨への投資を増やしていきましょう。
では、通貨は何を選べばいいのでしょう?
「南アフリカランドなどの新興国通貨は高金利なので一見魅力的ですが、流通量が少ないため為替相場の値動きが大きく、思わぬ為替差損を被ることもあるのでビギナー向きではありません。最初は米ドルやユーロといった流通量の多い世界の基軸通貨、もう一つ加えるとしても豪ドルあたりからスタートするのが無難です」(藤川さん)
【外貨MMF】外貨ビギナーはこの商品からスタート
外貨MMFは外貨建てベースでは安全性が高いので外貨ビギナー向け(ただし、現在ユーロ建ては取り扱いなし)。購入した当日から解約できるため、為替差益を狙うにはぴったりです。運用実績に応じた金利も付きます。外貨投資でポピュラーな外貨預金より、一般的に為替手数料(円と外貨を換える際にかかる手数料)が割安なのも魅力です。【外国債券】国内の債券と同様、格付けのチェックが必要
外国債券は、ざっくり言うと発行者、通貨、発行場所のいずれかが海外である債券。利息の付き方により、利付債とゼロクーポン債の2種類あり、利付債は10数万円、ゼロクーポン債は数万円から買えます。ただし外国証券口座管理料(年3240円など)がかかる金融機関もあるので、コストの負担感を小さくするには30万~50万円以上での利用がお勧めです。
額面と利息は発行体が保証するので、仕組み上は安全です。しかし、発行体が破綻するとデフォルト(債務不履行=額面と利息が支払われない)のおそれも。このあたりは日本の債券に投資する場合と同じなので、信用リスクの度合いを知るために格付けのチェックが必要です。また、外国通貨で発行されている債券であれば為替リスクもあるので注意。基本的に償還時(満期)まで持てるお金で購入しましょう。
1000万円へ導く資産の振り分け方法を次ページで伝授!
取材・文/萬真知子 監修/藤川太(ファイナンシャル・プランナー)