100万円、300万円をステップに1000万円を目指す
現状の貯蓄額にもよりますが、1000万円のゴールにたどり着くまでには通常、数年から10数年以上の時間がかかります。この長い道のりを倦まず弛まず歩み続けるには、途中にステップとなる暫定的な目標金額を設けることが大事。そうすれば1000万円に辿り着く前にもそれなりの達成感を得られて、プラン続行のエネルギー源になります。ここではステップとなる目標金額を100万円と300万円に設定します。あまり貯蓄をしていない、あるいは全く貯蓄がないという人は、まずは100万円を目指しましょう。
「この段階では貯めグセ(貯める習慣)を身に付けることが最重要課題です」(藤川さん)
貯めグセが身に付くまではしんどいかもしれませんが…。
「一般的なイメージとして大金というのは100万円から。大金である100万円の一束がつくれれば、お金を貯める喜びが実感できて自信もつくので、それを想像しながら頑張りましょう」(藤川さん)
100万円貯まったら次は300万円を目指します。「どのステップにいるかにより、預け方の戦略も変わってきます。100万円までは積立商品でひたすらコツコツと貯めて、100万円に達したら安全でかつ有利な商品も組み合わせてみる。さらに300万円になったら投資商品の活用も選択肢になります」(詳しくはルート1以降に)
挫折せずに1000万円まで辿り着くには?
こうして1000万円を目指すのですが、「実際にはまっすぐ右肩上がりに貯蓄残高が伸びていくというわけにはいかず、時には減る局面もあると心得ておいてください」(藤川さん)。というのは、1000万円を貯めている間にも、クルマの買い替えなど、まとまったお金が必要となるライフイベントが控えているはずだからです(上図参照)。例えば200万円貯まったところで、クルマの買い替えに100万円かかったとしましょう。すると貯蓄残高はストンと100万円に半減。そんなことが何度か続いたら、いつになったら1000万円になるのかと先が思いやられて、やる気を失ってしまうことも。
「そうした挫折を防ぐには、今回の1000万円のプランのほかに、将来どんなライフプランが控えていて、『いつ』『いくら』の費用がかかるのか、時期と予算を見積もっておくこと。事前にこの時期には貯蓄残高が減るとわかっていれば、やる気を失うようなこともないでしょう。また、目標の時期にきっちり1000万円を手にするには、プランを考える際に1000万円以外の資金のことも見込んでおく必要があります」(藤川さん)
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取材・文/萬真知子 監修/藤川太(ファイナンシャル・プランナー)