結婚式・披露宴マナー/結婚式・披露宴マナー関連情報

形式から脱出! 変わりゆくお祝いの形(2ページ目)

時にはちょっと堅苦しい冠婚葬祭の決まりごと。最近では相手のことを思った柔軟なお祝いが見直されているようです。金額の目安や相場、相手が喜ぶもののリサーチ法までご紹介します。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

贈り物
表書きに困ったら、お祝いごとは「御祝」。不祝儀は「御霊前」としておけば失敗はありません。

現金とギフト券か迷ったら


現金かギフト券か悩む場合ってありますよね。以前は現金や金額がわかる商品券では、ストレートに伝わりすぎて、かえって相手を低く見るようで避けられていました。また現金だと、生々しさがあり、いやだと言う方もおられます。

デパートなどの共通商品券など、各種ギフトカードでしたら少しは生々しさが薄れる感じがします。テレホンカード全盛期には、よく謝礼でガイドも頂きました。現在はプリペイドカード、優待券なども豊富に流れています。相手とのお付き合いの程度にもよりますが、マナー本など気にせずに、本当に欲しいものに使ってもらいたいと思うなら、やはり現金かしら?!

ガイドの知人の子供にお祝いとして、「学校の学習に役立てる本を買ってね」と図書カードを贈ったら、その子供に「勉強でないとだめなんや。雑誌に使いたかったのに」と思わずひんしゅくをかいました。そんなつもりはなかったのに・・・。

また「デパートなどの共通商品券を頂いたけれど、使い道がないままタンスの中に眠っているわ」とおっしゃる老夫婦。このように現金とギフトカード、どちらを贈っても難しいものです。


金額の目安と相場


1940年(昭和15年)国民精神総動員中央連盟(日中前面戦争勃発直後、結成されました)が国民生活の画一化、「平準化」「平等化」というファシズム幻想の一環を決定して、全国民に呼びかけました。戦後になって、急成長した結婚や葬儀のプロデュース業が、相場としての目安に一般化したのでしょう。

実際、冠婚葬祭においてのお祝い事のご祝儀、目安がわからなければ不安になります。同年代でもお給料が違うのですから、本来はその家庭で出せる範囲のご祝儀でいいのです。しかし「人並みでないと、あとで恥ずかしい思いをするのはいやだ」「マナーを知らなさすぎると非難を浴びるのが怖い」と考えてしまいます。よく考えるとおかしな話です。

冠婚葬祭のしきたりにおいて、戦前は地域社会のつながりの中で、窮屈な決まりごとがたくさんあったけれど、マニュアル本がないぶん、その家々で、出来る範囲のことをすればよかった時代。常識がある程度外れていなかったら自由さはあったと思います。

戦後は、「こういうもの」「こうするもの」と一般化されたマナー本が出現。親から子供へ受け継ぐものであった冠婚葬祭のしきたりが、マニュアル本で学ぶようになったのです。

そこには目安と言う便利なものがあると同時に、それ以外では許されない不自由さが存在してしまったのです。


「お金より物」品物を贈る場合は次のページで>>>
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます