お通夜や葬式で数珠の正しい持ち方・使い方ができていますか?
佛式の行事では欠かせない数珠
数珠は念珠とも言われ、仏・菩薩さまやご先祖さまを拝むときなどに回数を記憶するためのものとされています。「数を念ずる」「数を記す」そして「念仏を唱えて手を合わす」といろいろな意味合いで使われています。
また佛式の行事である通夜や葬儀・告別式の会葬に参列する時や法要(法事)に出席する際には、欠かせないものです。今回は数珠の由来を知り、正しい持ち方・使い方などをまとめてみましたので、どうぞご参考に!
<目次>
数珠の由来
数珠は、持っているだけで魔除け厄除けとなり、また福を授かるそう
数珠は、持っているだけで魔除け厄除けとなり、また福を授かると言われています。
数珠の形式
女性用の数珠は男性用に比べて小さく作られています
宗派によって多少異なりますが、現在では54個、36個、27個などと珠の数は少なく、一般的には一重の略式の数珠が使われています。男性用は、珠は幾分大きく、女性用は小さく作られています。
数珠の持ち方(持ち手)
数珠を使わないときは、ふさを下にして左手で持ちます
なぜ左手なのでしょう? それは、左手は仏さまの清浄な世界、右手は信仰の世界、すなわち私たちの世界を指しているからなのです。
どの宗派でも使える略式数珠の使い方
略式数珠とは、一重の数珠で宗派に関わらず、誰でも気軽に使える数珠のことです。よく量販店や身近なお店で売られているのを見かけますよね。実用的で使いやすいので持ち歩きに便利なのが特徴です。略式数珠には、片手持ちと両手持ちの2つのパターンがありますが、基本的には左手で持つ、方手持ちが一般的です。その場合は、左手の親指と人差し指の間に数珠を挟み、右手を添えて拝むポーズを取ります。両手持ちの場合は、両手の親指と人差し指の間にそれぞれ数珠を挟み、両手を数珠で囲むようにして拝みます。
数珠の使い方:焼香のとき
合掌する時、短い数珠の場合、親指と人差し指ではさみます。長い数珠は、両手の中指に掛け渡して手を合わせます
席を離れるときは椅子や畳の上に置くのは、マナー違反。必ずバッグやポケットの中にしまってくださいね。また子どもが人差し指に通し、ぐるぐる回して遊ばないように気をつけてあげて下さい。仏様を拝む大切な道具であることを忘れずに。
※数珠の使い方は、宗派や数珠の種類によって異なる場合があります。
「数珠が切れると縁起が悪い」は本当?
仏様が悪縁を切ってくださったと考えましょう。長い間使っていると数珠の糸が切れてしまうことがあります。それだけお念仏に励んだ証であり、けして縁起が悪いことはありません。切れてしまった数珠はお寺で供養をしてもらったり、仏具屋さんに修理を頼んだりすればよいことなんです。いかがでしたか? 現在、日本人の平均で3カ月に1回は、通夜や葬儀、法事などの仏事に参加しています。また年齢が上がると共にさらにその機会は増える事になります。
数珠は、人に貸したり借りたりせず、一人ひとり、自分の数珠を持った方がよいと言われています。家庭を持ったら必ずひとつ、そして夫婦それぞれ持ち、社会に出て働くようになったら子どもにもぜひ用意してあげてくださいね。
数珠の使い方に関してよくある質問
Q. お通夜で数珠はいつから持つのが正しいですか?
A. はじめからずっと数珠を持っておくのがマナー。斎場に入ってから数珠を取り出し、左手で持って(左の手首に通しておいてもOK)おきましょう。焼香時以外は数珠の房を下にして持ちます。お通夜が終わり、斎場から退出すると同時に外します。
Q. 数珠はすり合わせて音を鳴らして使うのですか?
A. 数珠のすり方は、宗派によって異なります。密教では、念珠をすり合わせて、ジャラジャラと音を鳴らすのが作法となっています。一方、その他の宗派は数珠をすり合わせず、そのまま手を合わせて拝みます。
※密教には、真言宗の東密と天台宗の台蜜の二つがあります。真言宗は、両手の中指に掛けて、そのまま手を合わせて拝む場合がありますが、正式な作法は両手の掌を上下にすり合わせ、数珠で玉が当たる音を出すように拝みます。天台宗も同様に音を鳴らさない場合と数珠をすり合わせて、音を鳴らす作法もよく見られます。
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