防災/防災関連情報

防災用語辞典:「表面フラッシュ」 『全身火だるま』の危機!回避法

調理中、なんらかの原因で衣料にコンロの火が燃え移ることを着衣着火といいます。この火災、実は着ている素材によっては、わずか数秒で全身に火が回ることも!

執筆者:荒井 健一

衣料品を購入してみたら、
「地表面の起毛はたいへん燃えやすいので、焚火など火気のある場所に近付けないで下さい。」「毛羽が燃えやすいので、火に近づけないで下さい」等の、
『下げ札』や『縫い付け』が付いていたことはないでしょうか?

これは、PL法の施行に伴い、各衣料品メーカーが表面フラッシュへの警告を表示したものです。この、表面フラッシュとはどのようなモノなのか? マネキンによる実験画像でご説明します。

表面フラッシュとは?

表面フラッシュとは、「タバコを吸おうとライターに火をつけたら、着ていたセーターの袖口から肩まで火が走った。」など、わずかな炎の着火で短時間に衣服の表面を火が走る現象で、花火やガスコンロ、ストーブなどでも同様の現象による被害が報告されています。

実験

バスローブ(綿98%・ポリエステル2% パイル材)

袖口に着火。接炎直後、表面フラッシュ発生。この間約1秒。
30秒で肩口まで燃え、全身に延焼。

危険な素材は?

表面フラッシュの起こりやすい衣料品の素材や形状として、綿、レーヨン等の易燃性セルロース系繊維の衣料があげられます。混用されても同じで、起毛処理された製品での事故が目立ちます。最も危険そうに見える、フリースなどのポリエステルやアクリル繊維の衣料品は、燃えませんが、火傷のきけんがあります。

たまに、「フラッシュファイヤー」と、注意書きされた製品でも同様の危険性があり、意味は「表面フラッシュ」と同じです。

袖に着火するイメージが強いですが、裾などの胴体部分に着火するケースは、袖に着火した被害と同等かそれ以上発生しています。

見えない部分から燃え出すと、発見が遅れ生命の危険にさらされます。綿製品の場合、火が全身を包むまでに、1~2分しかありません。また、死者の出る確率は圧倒的に、子供や老人が多くなっています。十分注意しましょう。

もしも火傷を負ってしまったら!

台所で使用する着衣は、出来る限り防炎製品を使用しましょう。また、ゆとりの少ない衣服では、火が付きにくい事もわかっています。

もしも、火が付いた場合は、手ではたいても消えません。すぐに水をかけてください。万が一、火傷を負ってしまった場合は、流水で冷やすのが一番です。救急車を呼ぶ必要がある場合、待ってる間は流水で冷やし続けましょう。

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