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人気作家さんに伺った漆器のお手入れ術(4ページ目)

おせち料理用に漆のお重箱を出す時期がきましたね。漆器はホームパーティに使っても豪華で素敵です。今回はNYの展示会など各地でご活躍の作家、島さんにお手入れ術を教えていただきました。

毎田 祥子

執筆者:毎田 祥子

家事ガイド

伝統的な根来塗の品々

伝統の根来塗とNEO JAPANESQUE汎

島さんは創業1916年のという漆器メーカー「島安汎工芸製作所」の四代目でいらっしゃいます。和歌山県の漆器は『紀州漆器』『黒江塗り』などと呼ばれ、中でも『根来塗』といわれる独特の塗が有名です。


ガイド:根来塗はデパートなどで拝見したことがあります。

島さん:室町時代に紀州木地師によって渋地椀が作られたのが紀州漆器のはじまりだといわれ、それが高野山から移り根来寺を建立した僧侶たちによって洗練されていったようです。

根来塗は、黒漆で下塗りをし、その上に朱漆を塗ったものです。昔、未熟練な僧徒の失敗作がかえって趣深いと評判をよんだのがきっかけで、それを芸術の域まで高めた技法です。

当社にはオリジナルの霞根来、変り根来もあります。



とても華やかでパーティの主役になりそうな白漆のお重箱。はじめは陶器かと思いました。ガイドがいま一番欲しい漆器です。
ガイド:それがあの「白漆」でしょうか。素敵ですよね。

島さん:そうです。白色の塗りにゴールドの研ぎ出しに仕上げた現代感覚の漆器で、色彩が軽やかなイメージなので、洋風のインテリアにも活用できる新しい漆器です。

ガイド:ところで、AllAboutスタイルストアにあるプロフィールに「伝統工芸の後継者ながらも古いものが大嫌い。そのキャラクターがNEO JAPANESQUE 汎を生みだす」とありますが・・そうなんですか?

島さん:そのとおりですね(笑)。こてこての和ではなく、わっとびっくりするような器を作ってみたいと思います。そのために新しい塗りの開発にも力を入れていきたいと思っています。

ガイド:それは老舗の四代目という家に生まれたことも意味があるのでしょうね・・?

島さん:そうですね。伝統的で奥深い仕事に携わってさまざまな知識をもてたからこそ、新しいことがいろいろできるのだと思います。「鞘百選」という刀の鞘に使われた塗の技など参考になるものは山ほどあるんですよ。


ガイド:あの刀の鞘にそんなに多くの技法があるとは!大事な刀だったでしょうから、鞘にも人それぞれの思い入れがあったのでしょうか。これからも素敵な作品を楽しみにさせていただきます!



(株)島安汎工芸製作所ホームページ
紀州漆器や根来塗の品や製作工程などが詳しく紹介されてます。


■STYLESTOREつくり手カタログ:島 平さん


* * * * *



漆器は扱い方さえわかっていれば、もっと暮らしのさまざまなシーンで楽しめますね。ガイドも愛用の品を少しずつ増やしていきたいなと改めて思いました。
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