小動物/ペットから感染する病気

人間が媒介する感染症を知っていますか?(2ページ目)

予防接種していても感染する感染症もあれば、外に出さなくても飼い主が感染源となる感染症もあります。ペットの健康を守るため、感染症の予防法について見直してみてください。

執筆者:村田 亜衣

予防接種をしていれば100%安全でしょうか?

数年置きぐらいにニュースになっているように思うのですが、犬の繁殖場などで発症することのある感染症に「ブルセラ症」という感染症があります。つい数ヶ月前にも、ドッグランなどの施設も持つペットショップで発症し、利用客への感染被害を懸念させられるニュースがありました。

ブルセラ症は、悲しいことに治療法がないため、感染した犬たちは殺処分されます。殺処分するしかない怖い感染症ならば予防接種して感染しないようにしておけばよかったじゃないか、と思われるかもしれません。でも、それはできないんです。なぜならば、ブルセラ症を予防するワクチンがないからです(現在開発中らしいです)。

予防接種をしたくてもできない感染症がある。ということは、予防接種をしていてもペットを100%感染症から守ることはできない、ということです。感染症からペットを守るには、やはり衛生管理が大事になります。予防接種したからといって油断してはいけません。

ある意味、犬や猫の飼い主さんよりも小さなペットの飼い主さんの方が、ワクチンがないだけに感染症への関心や注意力を高められるのではないかと思います。ですが、中には予防接種があるのにしない飼い主さんというのもいます。外に出さないから大丈夫、だなんて思ったら大間違いなんですけどね。

人間が媒介することができてしまう感染症

小さなペットの中で、飼育書に予防接種について書かれているのはフェレットぐらいでしょう。フェレットは犬ジステンパー症に感染することができてしまうため、予防接種をする飼い主さんが多くいます。ですが、「外には出さないから」と予防接種しない飼い主さんもいます。でも、外に出さなければ感染しない、というのは大きな間違いです。

感染症の原因であるウィルスには、猫エイズウィルスのように動物の体内から出たらすぐに死んでしまうものもありますが、犬ジステンパーウィルスは違います。私たち飼い主がどこかでウィルスをつけて帰ってきた場合、そのウィルスによってペットを感染させてしまうことがあります(犬ジステンパーウィルスは1週間程度生きるそうです)。

ペットを外に出さなくても飼い主が外に出るのですから、ペットが感染症にかかる可能性はあります。犬ジステンパーの予防接種をしないのならば、飼い主家族が帰宅したらすぐに着替えたり、手洗い・消毒をしたりするなど、自分が感染源にならないように注意しなければいけません。

なお、犬ジステンパー症に感染したフェレットは助けられないことも多いので、人の出入りが多かったり、衛生管理に不安があったりする場合には、予防接種をする方が安心だと思います。



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