渡り鳥が「V」の字型に飛ぶのには、風の流れを利用するという意味があったのです。 |
鳥のように空の高いところを飛ばない昆虫は、風の流れを使わずに自分の羽の動きだけで空を飛びます。羽をたくさん動かして風を起こし、その風の反動を利用して飛ぶのです。これは、紙ををバタバタ動かすと風が作れるのに似ています。
細長い紙で風を作る場合にはたくさん動かす必要がありますが、幅広い紙で風を作る場合にはそれほどたくさん動かす必要がありません。これと同じように、羽が細い(小さい)蜂や蚊はたくさん羽を動かして飛びますが(蜂の羽ばたき回数は毎秒200回以上)、羽が広い(大きい)蝶や蛾はそれほどたくさん羽を動かさずに飛びます(蝶の羽ばたき回数は毎秒10回程度)。
同じように羽を持つ鳥と昆虫。でも、彼らは飛ぶ高さや羽の大きさなどにより、飛ぶときの羽の動かし方が違います。空の高いところを飛んでいる鳥と蝶の飛び方を見比べてみれば、飛び方の違いを見ることができるでしょう。また、蜂などの小さな昆虫は羽の動きが速いために観察するのは難しいと思いますが、図鑑などで蜂やとんぼ、蝶などの羽の形を見比べることはできますので、羽の形の違いを調べてみるのも楽しいと思います。
なお、身体の横にある皮膜を使うむささびやももんがも「飛ぶ」と言われることがありますが、これはパラシュートで落下してくるのと同じで、飛んでいるのではなく、高い場所から降りてきているだけです。