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猫の歴史

今現在日本にいる猫のルーツは、どこから来たの?猫が暑さに強いのも、水をあんまり飲まないのもエジプト出身だから。エジプトからどうやって猫が日本にやってきたのか・・・猫の歴史を振り返ってみましょう。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

記事:前ガイド戸松 佐恵美


今でこそ、当たり前のようにペットとして認められている「ネコ」ですが、元々はどこから来て、どんな経緯で人間と暮らすようになったのでしょう?ネコがどのようにして日本に居ついたのか、その歴史について書かせて頂きます。※ただし、ネコの歴史については諸説あるため、これはその中のひとつに過ぎません。
◆元々は輸入動物

5世紀頃、「リビアヤマネコ」を祖先とする「イエネコ」が、インドより仏教の伝来と共にシルクロードを経て中国に持ち込まれます。中国に持ち込まれたネコはやがて、仏教の教えを説く教典がネズミにかじられないようにとの配慮から、一緒に船に乗せられ、そうして日本へやってきます。当時のネコは中国から来たので「唐猫」と呼ばれ、その数はごく少数でした。

◆文献に残る猫たち
その後、「枕草子」には猫の名前をつけたという一説が登場し、「源氏物語」には引き綱をつけた猫が描写されます。この頃の猫はペットとして飼われており、綱をつけるなどして外飼いにしていた様子はうかがえません。ごくごく貴重な動物であったせいかもしれません。「鳥獣戯画」にも猫の姿は描かれており、この頃には既に今の日本猫を思わせる短尾の猫になっています。また、「徒然草」には長く生きた猫は人を獲って食う”猫股”という妖怪になるという記述も残っています。
◆江戸時代までは完全室内飼いだった猫
1687年、徳川五代将軍綱吉公による「生類憐れみの令」において猫の売買と猫のつなぎ飼いが禁止されます。それまでいかに猫が繋がれて飼われていたかが分りますね。
◆吾輩は猫である
1906年には、猫が主人公である本「吾輩は猫である」が発表されました。ガイドが自説にしている「ネコは自分で自分の住む家を選んで訪ねて来る」はこの頃から生きているのだな、とつくづく思います。
◆やがて様々な種類の猫が日本に
かくして唐猫から日本猫へと変貌をとげながら定着した猫ですが、この後は様々な国の様々な猫が輸入され、繁殖を繰り返し現在のような猫社会が出来てきました。その昔「ネズミから作物などを守る」という目的のために、無計画に増やされ外飼いにされた名残で、現在も「猫は外に出して飼うもの」というイメージが猫にはつきまとっておりますが、「猫は外に出さなくちゃ可愛そう」なら、犬や鳥だって同じことです。しかしながら、昨今の日本は外に出した方が可哀想なことになってしまう確率は高く、その不幸から守ってやれるのは飼い主しかいないんですよね。猫の歴史を知って、それが故に「外に出す」という部分だけが名残りとして残っている事を理解し、既に江戸時代とは違ってしまっているこの国では、できれば猫は完全室内飼いをしてやって欲しいものだと思います。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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