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小粒ながらに凛とした、日本を代表する柴犬(2ページ目)

「犬種シリーズ」4回目は、日本が誇る柴犬。小粒ながらに凛とした、その風貌と性格は、多くの人を魅了してやみません。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

タヌキ顔? キツネ顔?

柴犬成犬
感情や要求の表現も、洋犬に比べておくゆかしいところがあるのがたまらない魅力。
ここで、現在、柴犬には2タイプがあるというお話を。その容貌からはっきりわかるのが、丸顔で、全体的にコロッとしたイメージのあるタイプと、キツネのように細面で、体つきもスラッとしたタイプ。後者は、ストップ(額段)が浅いか、ないに等しい顔のつくりをしており、より野性味を感じます。

どうしてこのようなタイプの違いができたのか? 後者は、縄文時代の遺跡から発掘された犬の骨のように、古代から生息していた犬を柴犬の理想として考え、保存、繁殖されてきた結果です。どちらのタイプであっても、柴犬としての魅力に溢れていることに変わりはありません。

普段は物静か、しかし、ことあらばガッツを見せる気概

日本犬は、総じて感情表現が乏しいと言われることがあります。これは、日本人も同じですね。国土の環境や、遺伝因子がそうさせるのでしょうか? 

柴犬も、洋犬に比べると感情や欲求の表現がおくゆかしいところがあり、そうした一歩引いたようなところが、落ち着きや威厳、風格を感じさせます。日本犬を表現する時に、“渋い”“素朴”といった言葉がよく使われますが、まさに渋好みの犬種、と言えるでしょう。普段はもの静かで沈着冷静、しかし、ことあらば家族を守るために闘う姿勢を見せる気概は充分にもっています。だからこそ、時に見せる愛らしい姿が、より可愛く思えるというものです。

そんな柴犬をしつけるには、頑固な一面を覗かせることがある分、多少忍耐が必要になることもあるかもしれません。が、それは自我があるということでもあります。一旦絆が築ければ、これほど頼もしく、奥深い犬種もないと思います。

毛色も渋揃い

柴犬の毛色には、赤毛、黒毛、胡麻毛、そして白毛があります。洋犬のような派手さはありませんが、大地の色と見事にマッチするその毛色は、日本という風土だからこそと思えてきます。

密なアンダーコート、そしてちょっと硬い手触りのするオーバーコートは、寒さや暑さから身を守ります。昨今では、夏場にライオンカットにしたり、洋服を着ている柴犬も見かけますが、被毛には皮膚や体を守るといった意味合いもありますので、過剰なものは避けたほうがいいでしょう。

気をつけたい病気

柴犬の場合、気をつけたい病気はそれほど多くありませんが、以下のようなものにはご注意を。

●アレルギー性皮膚炎
●脂漏性皮膚炎
●膝蓋骨脱臼        など

この他、長生きのコが多いことでも知られている柴犬、高齢となって痴呆のような症状が出るケースが、他犬種に比べて多いような印象があります。昨今ではそうしたものに効果があるというサプリメントなども出ていますが、若いうちからなるべく適度な刺激を与えてあげ、長く健康な性格を送らせてあげたいものですね。



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