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犬と車でお出かけするときの注意点、トレーニング(2ページ目)

昨今では犬を車に乗せてお出かけする人が多くなっていますが、皆さんはどんなことに気をつけながら愛犬を車に乗せていますか? 数組の飼い主さんにも日頃のドライブについてお話をお聞きしてみました。中にはちょっとドキッとするようなお話も。より安全に愛犬とのドライブを楽しむために、今一度、その注意点について振り返ってみませんか?

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

お聞きした質問は以下のとおり

ここからは、一般の飼い主さんに普段、愛犬をどのように車に乗せているかお聞きしてみましたので、その回答をご紹介します。お聞きした項目は、以下のとおりです。
  1. 乗っている車の種類
  2. 愛犬を乗せて、主にどんなところに出かけますか?
  3. 愛犬の専用席はどこですか?
  4. 愛犬をどのように車に乗せていますか?
  5. 愛犬を車に乗せる際に、どのようなことに気配りをしていますか?
  6. これまで愛犬を乗せて車で移動中に、ヒヤッとしたようなことがありましたか?
  7. ドライブをする際のこれはお勧めだと思うグッズ類はありますか?
  8. 愛犬を車に乗せるトレーニングをしましたか?


みっぽこさん&天天君の場合

天天君(ミニチュア・シュナウザー)

段階を追って慣らすことで、車が大好きに:(c)MT

  1. ステーションワゴンタイプ(日産ウィングロード)。
  2. 自宅や親類宅などの往復に。アジリティーやしつけ教室、近所の公園、獣医さんなどへ行く時に。車に乗るのは日常です。
  3. リアシート。
  4. 高速道路を走る時、20分以上のドライブの場合は、リアシートにクレートをシートベルトで固定して乗せています。20分未満のドライブの場合は何もせずに、リアシートで。
  5. 長距離の場合はこまめな休憩、車に乗せる前の食事時間に特に気をつけています。リアシートにそのまま乗せる場合は、とにかく急ブレーキをかけないように。それから、万一天天が窓のボタンを押しても窓が開かないようにチャイルドロックをかけています。
  6. 以前、助手席に固定しないで乗せていた時に、急ブレーキで下に落ちてしまったことがありました。ケガはありませんでしたが、それ以来、前の席には乗せていません。
  7. 犬にしろ、車内にしろ、意外と汚れることがありますから、濡らしたタオルを何枚かビニール袋に入れて持って行くと、何かと便利です。
  8. 最初は車を見せるだけでトリーツ。次は乗るだけでトリーツを。乗ってエンジンをかけるだけ→1分走る→5分→20分→1時間→と順々にトリーツを与えながら慣らしていきました。元々酔わないタイプだったのかもしれませんが、おかげで車が大好きになりました。


Aさん&レノちゃんの場合

レノちゃん(イングリッシュ・セッター)

レノちゃんと出かけるトレッキングやキャンプは何よりの楽しみ、とAさん:(c)LR

  1. ワンボックス。
  2. 毎日の散歩、公園、キャンプやトレッキングなどに。
  3. リアシートか、ラゲッジスペースに。
  4. リアシートで自由にさせておくか、ラゲッジスペースのケージに入れます。その時の状況によって違いますね。
  5. ブレーキをかけても大丈夫なように、体勢や、ブレーキのかけ方などに気をつけます。おかげでその分、より運転が上手になったと思うんですけど(笑)。
  6. 急ブレーキをかけた時に、座席から落ちたことがありました。
  7. 特になし。
  8. これといったトレーニングは意識したことがありませんでした。元々車に強いのか、自然に慣れていたという感じです。


菊雪ママさん&菊乃ちゃん、雪乃ちゃんの場合

菊乃ちゃん&雪乃ちゃん(シェットランド・シープドッグ)

北から南まで、アジリティー競技を追って車を走らせるからこそ、より細心の気配りをしているそう:(c)KM

  1. TOYOTA エスティマ。
  2. ドッグスポーツ(アジリティー)競技会場。
  3. 前から2列目。
  4. それぞれのサイズに合わせたドライブボックスに入れて。
  5. 車酔いしないように、長距離の移動の前は食事を控える。急ブレーキをかけた時や何かあった時に、2列目シートの足元に落ちないよう、シートを運転席と助手席の背もたれまで前に出す。窓は鼻先が出るまでしか開けない、などです。
  6. 特になし。
  7. 長距離の移動の際、車で待たせる時に、“わんドアロック”を使用して、後ろのハッチを少し開けたままドアをロックし、風が通るようにしています。
  8. 子犬の頃から、最初は10分、30分、1時間……というふうに、少しずつ時間を長くしていって車に慣らせました。


尾崎さん&シンバ君の場合

シンバ(ミックス)

様子をいつでも確認できるように、乗せる場所は目の届くところに:(c)OD

  1. ボルボ940エステート。
  2. オフ会や公園での散歩、帰省の時など。
  3. 基本的には助手席。高速に乗る時などは、リアシートのことも。
  4. 助手席の場合は、犬用のシートベルトを使っています。リアシートに乗せる時にはクレートに入れて、それを固定しますが、いつでも様子が確認できるように、クレートは運転席から手を伸ばしたらすぐに触れるくらいの場所に置きます。
  5. 助手席に乗せている時は、運転に集中できるよう、そこからリアシートに移動できないようにしています。
  6. 以前、シートベルトを使っていなかった頃のこと、音楽をかけながら高速を走っていて、ついリズムに合わせて膝を叩いてしまったところ、“コイ”と勘違いして膝に飛び乗ってこようとしたのでびっくりしたことがありました。
  7. 車に常備しているのは、クレートの他、カラビナ(ドアを開けたままでも車内のフックにかけてリードを素早く繋げるように)、タオル大小数枚、ビニール袋、ペットシーツ、リード数本、消臭スプレー、何かあった時のために窓を割るトンカチ様のものなどです。
  8. 特にはしていません。


皆さん、共通しているのは、急ブレーキをかけるような状況をなるべく避けるなど運転の仕方に気をつけているということと、愛犬を固定できるものを何かしら使用している、ということでしょうか。

では、次に、犬を車に乗せる時の注意点について、おさらいしながらまとめてみましょう。


平衡感覚は“学習”する器官

元来、犬は平衡感覚にも優れているので、その分、車に酔いやすいことはよく知られています。人間同様、犬の場合も内耳の中に平衡感覚を司る受容器がありますが、これは言ってみれば“学習”できる器官であり、トレーニングや経験を重ねることで強化することが可能なのです。ですから、トレーニングいかんでは充分に車に慣れることができるということですね。

生まれて間もない頃はまだ足取りもおぼつかない子犬が、その平衡感覚を発達しきるのは、生後10週齢を過ぎてからとされますが(「心理と行動から見た犬学入門」大野淳一著より)、ちょうどそのくらいの月齢で子犬を迎える人もいるでしょうし、また社会化にとって大事な時期とも重なります。

犬を車に乗せたいのであるならば、是非ともトラウマを作らないように、少しずつ段階をふんで、楽しい経験をさせながら、トレーニングしてみてはいかがでしょうか。

とは言っても、人間でもそうであるように、酔いやすいタイプ、酔いにくいタイプと体質もいろいろですから、トレーニングを重ねても酔ってしまうコには、あまり無理をさせないようにしたほうがいいかもしれませんが。


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