ストロボをうまく使い分ける

ストロボなし
室内の自然な光のみで撮った場合、表情が全体的に潰れてしまっている。
平山さん:
「では、次のポイントです。オート機能に頼ることをせず、ISO感度の設定をしましょう。通常、ゴールデン・レトリーバーのような明るい毛色の犬であればISO感度は400くらい、黒い毛色の犬であれば少なくとも400以上、800程度あれば大丈夫です(最近のデジタルカメラであれば多少感度を上げても極端に画質が悪くなりませんが、以前のデジタルカメラを使用していると画質が悪くなる場合があります)。感度を低くすると、周りは暗くなります。感度を上げるのは周りの光を取り込むためと考えるといいでしょう。ただし、1600や3200にまで上げてしまうと逆に画質が荒れるので注意してくださいね」

Tさん:
「ただ上げればいいってものじゃないんですね」

平山さん:
「感度設定をきちんとすれば、本来デジタルカメラは周りの光を判断して明るく撮影できるように作られていますので、基本的にはストロボなしのほうが綺麗に写るのですが、それでも室内撮影の場合、状況によっては有効になるのがストロボです」

Tさん:
「ついついストロボもオートに任せがちですが、それじゃダメということですか?」

ストロボ(スローシンクロ)使用
目もはっきりと写って表情が出た。周りの色も一段と明るくなっている。
平山さん:
「そうです。基本的にコンパクトであってもオートフラッシュ、強制発光、スローシンクロ、この3つはどの機種でも付いていると思うんですが、昼間の明るめの室内で、被写体がちょっと暗いなと思ったら強制発光、夜の室内ではスローシンクロを使うのがベストです。夜の室内光は夜景と同じ、と覚えておくといいですよ」

Tさん:
「スローシンクロってどういうものなんですか?」

平山さん:
「スローシンクロはシャッタースピードを落とし、周りの光を取り入れて発光するのに対し、強制発光の場合、シャッタースピードは固定されたまま発光するという違いがあります。試しにスローシンクロで撮ってみましょうか。ストロボなしの1枚目の写真に比べて、スローシンクロで撮った2枚目の写真はトトちゃんの表情も出て、周りも明るくなっているでしょ?」

Tさん:
「なるほど。これは普段の撮影に使えそうですね」

逆光で撮ってみよう

ストロボなし
平山さん:
「じゃぁ、次は逆光で撮ってみましょうか。オート機能にお任せで撮ってみると、この撮影情景ぐらいの光の状況ではストロボは発光しませんから、黒い毛色のトトちゃんの表情がすっかり潰れてしまっています」

ストロボ(スローシンクロ)使用
Tさん:
「ほんとだ」

平山さん:
「こういう場合もスローシンクロで撮ると、トトちゃんの表情がくっきりと浮き上がってきますよ。ただ、黒い毛色の犬はややもするとどうしても色がベタッとしてしまいがちなんですがね……」

ブレない写真を撮りたいなら、犬が落ち着いている時を狙う

犬が落ち着いている時を狙う
被写体ブレを防ぐには、被写体を動かさないことを考える。
平山さん:
「さて、次はブレについて。なるべくブレない写真を撮りたいというなら、一番いいのは犬が落ち着いている時を狙うことです。室内での撮影ではどうしてもシャッタースピードが落ちがちです。人間ならじっと止まってくれていますが、犬にそれを要求するのは難しいことが多いですからね。もっとも、動きのある写真が撮りたいというのなら別ですが。でも、その場合は被写体ブレが出てくるのは仕方ないでしょう」

Tさん:
「ひと遊びした後とか丁度よさそうですね」

平山さん:
「そうですね。カメラに手ブレ防止機能は付いていますが、被写体ブレには対処できないので、ブレない写真を撮りたいなら、いかに被写体を動かさないかを考えたほうがいいと思います」

次は、アングルについてのお話を。