基本的なしつけさえ入れればそれで十分 家の中ではほとんどこの体勢のままだとか… 野上さんは千葉に在るグレート・デン専門の犬舎からドーンくんを迎えましたが、ブリーダーさんを訪ねたとき、「ちょっと足首を傷めているブルーの子がいるんだけど…」と言われて見せられたのが生後2ヶ月を過ぎたドーンくんでした。足が悪くてもかわいがってくれるなら特別価格でいいよと言われて、子犬の様子を見た野上さんはその場で即決。75日齢を過ぎたときに野上家にやってきたドーンくんの足を、ものの30秒足らずで治してしまわれたそうです。さすが、整体のプロ! 「参考」 グレート・デンのブリーダーさんの間では、子犬の売値は35万円以上にしようという申し合わせがあるとのこと。これは低価格にすると、心ない業者によって無謀な繁殖が行われ、ミスカラーや健康でない個体が生まれてくる可能性があるからだそうです。 ブリーダーさんのところでしっかりしつけられていたこともあり、トイレマナーも万全。初日からきちんと教えられた場所での排泄ができました。専門の犬舎で2ヶ月齢以上の、トイレのしつけの入った子を迎える。これこそ、本当に犬を飼うための黄金律ですよね。 体重70キロは部屋の中ではド迫力しかしながら、成犬になれば体重が70キロを超えるといわれるグレート・デンですからきちんとしたしつけをいれなければならないのは当然。野上さんも「子どもやお年寄りに飛びつきでもしたら大変」と思い、トレーナーさんに週1回のペースで来てもらうことにしました。 「その先生は、女性だったんだけれど、けっこう厳しい方で、臆病なドーンは先生が来ると、こそこそとどこかに隠れちゃうんです。ちょうど夏の暑い時期に入ったこともあって一時中断し、また秋から再開しようと思ったんですが、その時点で、飛びつきもしなくなってましたし、マテ、フセなどの基本的なこともできるようになっていたので、このあたりでもういいかなと」 その子本来の性格を抑えつけてまでやる必要はないと野上さん。 見た目以上に大人しいグレート・デンは、しつけの基本動作である「マテ」「スワレ」「フセ」のほか、人に飛びつかないということさえできれば、それで十分制御できると言われていました。 チワワ軍団に囲まれるとタジタジになってしまう 大のお気に入りはETのぬいぐるみ、これだけは誰にも譲れない~ ただ、大人しい犬だからということで甘くみるのは間違い。なにせ70キロもある犬ですから、こちらは遊んでいるつもりでも相手には大きいというだけで脅威になることもあるので、幼児期のトレーニングだけは欠かせないといえるでしょう。 とくに牛柄のハールクインという毛色のデンには比較的性格の強い子が多く、しつけを誤ればアルファになってしまうこともあるとか。デンをアルファにしてしまった飼い主には、とても手に負えず手放すことになる人もおられるそうです。 「だけど基本的には頭がよくて飼いやすい犬。とくにドーンの場合は、小さい頃からほとんどイタズラもしませんでしたね。一度だけゴミ箱をひっくり返したことがあったんですけど、その時に怒ったら、それからはもう二度としなくなりました。家具を噛んだり、床を引っ掻いたりすることもありませんし、仕事場にも一度入ろうとしたときに「いけない!」と教えたら、二度と入らなくなりました」(野上さん) ロックも負けじと横盗りにかかるオテするから、返してちょ~だい ドーンくんの性格は一言でいえば内弁慶。野上さんが「ドーンの天敵」という柴犬にも、しっかり閉まっている門の向こうから吠えられたときだけ応戦し、散歩中に会ったときには知らん顔を決め込むのだとか。 ふいに現れたチワワの軍団に囲まれたときなどには、シッポを下げて逃げ回るそうです。大きなデンが自分の膝にも届かないようなチワワから逃げている様子は、想像しただけで笑えますよね~。 「ラブラドールやゴールデンって、常に人間の方に向いていて人間が喜んでくれれば自分もハッピーみたいなところがありますよね。デンにはそういうところはあまりない。人間に対する興味は少ないようで、自分の食い気と眠気さえ満たされればそれでOKみたいです」(野上さん) もうボク、すねちゃいますから… 頭のよいデンの中にはけっこうイタズラ好きな子もいて、飼い主が手を焼くこともあるそうですが、ドーンくんにはそれもなし。つまみ食いをすることもありませんが、一度だけキッチンにあったラップに包んだ鮭のおにぎりをくわえて持ってきたことがあるとか。そのときは、あづみさんが「あっ」と叫んだとたん、おにぎりをポトリ。あれ、ボクは何をやっていたんだろう~みたいな顔をしたまま、ひとりでパニクっていたそうです。笑えるー! -->>どうしたらグレート・デンと上手に暮らせるの?前のページへ123次のページへ