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臨床獣医学フォーラム・レポート「心臓病」

今年も臨床獣医学フォーラムの年次大会が東京赤坂で開かれました。全国の獣医師、獣看護士、そして一般市民が一緒になって動物医療の明日を考える試みも今年で8回目。レポート1回目は「心臓病」です。

執筆者:坂本 光里

小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全

金本先生の講義は、主にVT(獣看護士)を対象にしたプログラム

今年も臨床獣医学フォーラムの年次大会が9/15~17日の3日間、東京赤坂で開かれました。全国から集まった獣医師、獣看護士、獣医学生、そして一般市民が一緒になって動物医療の明日を考える試みも今年で8回目。今回のレポートは「心臓病」です。

心臓病の第一人者、金本勇先生講師はこの分野の世界的な第一人者である茶屋ヶ坂動物病院(名古屋)の金本勇先生。金本先生はわたしのパートナーの著書『二歩先をゆく獣医さん』(光文社)にも登場する名医で、人格的にも素晴らしい先生とお聞きしていたので、ぜひ一度お目にかかりたいと思っていたのです。

この日先生は、心臓病の中でも、とくに小型犬に多い「僧帽弁閉鎖不全症」についてお話しされました。「僧帽弁って何?」と思われる方も多いかもしれませんが、これは心臓の左心房と左心室との間にある弁のことで、心臓にとってとても大切な器官なんですね。なかでも左心房・左心室は、肺で酸素を得た血液を全身に送り出す役割を担っていることから、そこに損傷が生じると決定的なダメージにならないとも限りません。

僧帽弁を支えているのは腱索という糸状の束

「僧坊弁というのはお坊さんが被っている帽子の形に似ているところからそうよばれているのですが、問題はこの弁が経年変化によりうまく閉じなくなり、心臓で血液の逆流が起こることですね。そうなると、身体に送るはずの血液が滞り、左心房が肥大して、最終的には全身に行くはずの血液が肺に戻ってしまう。それでいろんな障害が起きてくるわけです」(金本先生)
先生によれば、この病気はけっして珍しい病気ではなく、10歳以上の小型犬----ヨークシャーテリア、マルチーズ、キャバリアなどにはかなりの頻度で見られるそうです。

10歳以上の小型犬と暮らしている人は要注意!


-->>具体的にはどんな症状になるの?

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