日本犬に似ていながらも違った魅力を持つ韓国の犬 韓国から直輸入した珍島犬はなちゃんとその子どもたち 不定期シリーズ「珍しい犬種に会いたい」、今回は珍島犬(チンドケン)編です。一見、柴犬系のミックスにも見えますが、血統も由緒も正しい韓国の天然記念物に指定された犬種。今回は、大統領や韓流スターにも人気が高いというこの犬の魅力に迫りました。 さる4月の日曜、韓国から珍島犬を輸入し、交配にも成功されたという韓国珍島犬協会東京支部長・吉崎和夫さん(目黒区)のお宅をお訪ねしました。マンションの1階にある吉崎さんのご自宅にはしっかり広いお庭があり、見るといた、いた! 珍島犬のはなちゃんとその子どもたちが元気いっぱい駆け回っています。 子犬がいるせいか、ちょっぴり警戒心を見せるはなちゃん 「雨が降りそうなので先に撮影をしますか?」と吉崎さんに言われて、庭先から入らせていただくと、母犬のはなちゃんは、警戒心からかちょっとご機嫌斜めでしたが、子犬たちはみんな無邪気そのもの。カメラにもわたしにも興味津々でどんどん迫ってきて、中には飛びついたり甘噛みをしたりし始める子もいました。見た目は日本犬ですから、けっこう猜疑心が強いのかなと思ったらとんでもない。本当に人なつこい様子でした。 目が合ったとたんに駆け寄ってくる! 「いや、もとはそんなにフレンドリーな犬じゃなく、どちらかと言えばリーダー以外は認めないという気質の犬なんですよ。でもそれじゃあ飼う人が困るだろうと、いろんな人に触ってもらって誰にでもなつくように育てているんです」(吉崎さん) ちなみに子犬たちのおとうさんは、はなちゃんに続いて輸入されたももたろうくん。吉崎さんが仕事上の友人の方に託す形で日本にやってきた、由緒正しい血統の男の子だそうです。 吉崎さんが珍島犬の魅力に取りつかれたのは30年前。仕事で行かれた韓国の知人宅でこの犬に出会い、以前から日本犬が好きだった吉崎さんは「日本犬に似ていながら違った魅力を持つ」この犬にすっかり魅せられてしまったとか。 見よ、2カ月にしてこの足の太さ! 「当時は忙しく住まいも賃貸だったので飼えませんでしたが、その思いはずっと持ち続けていました。それで専用庭付きの分譲マンションに移り住んだのを機に、本格的に珍島犬に関する情報を集め始めたと。ところがその頃はまだ珍島犬が韓国の国犬ということで国外に出すことは非常に難しかった。もちろん日本にも珍島犬のブリーダーをしている方はおられたのですが、私がかつて現地で見た珍島犬とは印象がちょっと違う。やっぱりできるなら本場の犬が欲しいとの思いを強くしました」(吉崎さん) 30年前の思いをついに実現! 最初はちょっとご機嫌ナナメだったはなちゃんですが、時間とともにいろんな表情を見せてくれるように… その後、吉崎さんは『セヌリ』という日本と韓国を結ぶ情報誌が珍島犬の特集を掲載した時に編集長にコンタクトを取り、どうしても珍島犬が欲しいと依頼して、(社)韓国珍島犬協会の理事をしておられる方の子犬を譲ってもらうところまで漕ぎ着けたのだとか。 「3年前の当時は検疫が2週間の係留ですんだため、直接現地に行って何頭かいる子犬の中からはなを選び、生後4カ月弱のときに韓国から連れ帰ってきました。その時には珍島にも渡り、島にいる珍島犬もたくさん見て、協会の子と島にいる子のどっちにしようか悩んだんですけど、やはり最後は歴史もあって信用性が高い協会の方を選びました。結果的にはそれが協会との繋がりになって、今も品評会が開催されるときにはソウルに呼ばれたりしてますから、よかったのかなと思います」(吉崎さん) ちょっとクールだった女の子 ボスに対抗意識むき出しの腕白くん 韓国ではこれまで珍島犬は国の天然記念物として国外に輸出することは困難だったのですが、05年5月に英国ケネルクラブ、続いて7月に国際蓄犬連盟(FCI)の総会において、正式に公認犬として認められたことから、この犬種を世界に広める活動を積極的に推進することになったとのこと。それを受けて吉村さんには(社)韓国珍島犬協会東京支部の支部長になってほしいという依頼があったそうです。 お婿さんのももたろうくんを紹介します!123次のページへ