うるさくない日本犬は室内だって十分飼える
だけど、洋犬が主流のいまの東京において、一般の人が秋田犬を飼うのはちょっと無理なのでは? げんに2頭を散歩させている最中にも何頭か小型の洋犬に会いましたが、飼い主さんの何人かはこわがって近寄らせませんし、なかには思わず抱き上げてしまう人も…。
昔から大きな日本犬というと外で飼われている番犬のイメージが強く、潜在的にこわいという印象があるのでしょうか?
「たしかに外で番犬として飼っていた時代にはそうだったでしょう。でもいまは秋田犬だって室内で十分一緒に暮らせますよ。狭い庭や玄関先につないで飼っていると、犬だってストレスが溜まる。いつもイライラしているから、外からやって来る人や犬はみんな敵になってしまう。だから室内で飼えばいいんです」と川邉さん。
そんなことが可能なんでしょうか?
「ぜんぜん大丈夫。げんにうちでは室内で飼ってますから。秋田は元来冷静沈着で辛抱強い性格なんです。無駄吠えもしないし、イタズラもほとんどしない。悪いのはストレスのかかる飼い方をしてきた人間のほうなんです。犬って飼育する環境でよくも悪くもなる動物なんですよ」
たしかに人間だって、育つ環境しだいで性格も生き方も大きく違ってきますよね。
それに忠犬ハチ公というのは秋田犬。きちんとしつけさえ入れれば、これほど素直で忠誠心の強い犬はいないはずです。秋田犬は今はむしろアメリカやヨーロッパで人気が高く、都市部でも多く飼われていますが(アメリカンアキタという)、もちろん現地でもふつうに室内で飼われているとのこと。じっさい、100CLUBの3頭たちは、じつにのびのびと室内での生活に馴染んでいるように見えました。そうそう、わたしが行ったときには降りられなかった階段を、1週間後の今はみんな平気で上り下りしているそうです(最初に先導したのは一番チビ助の珀だとか、案外こいつが一番の大物かも…)。
100CLUBのファーム・オブ・ドリームス
100CLUBのファームのほうですが、全貌はどんな計画なのでしょう?
「ファームでは、数犬種のブリーディングをしつつ、馬肉をナマで与えることのよさを繁殖によって実証していきたいと思っています。理想的な食と運動によるバランスのとれた生活が、犬の成長と健康にどんな影響をおよぼすかを自分の目で確かめていきたい。それだけではなく、アニマル・ヘルス・リゾート(動物保養所)やトレーニングセンターなども併設してね。最終的な形としては、犬と人との理想的な共生環境を、まわりの自然のままの山野を生かしながらつくっていきたいということです」
実現するのがいまから楽しみな話です。100CLUBの新しい挑戦については、また随時ご報告していきたいと思います。もちろん、虎・桜・珀たちの成長もね!
■100CLUB
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