秋田犬はスピッツが源流ってほんと?
どうしていま、秋田犬なのか? 100CLUBの川邉剛さんに話を聞きました。
「子どもの頃からずっと、いろんな犬種と暮らしてきましたが、なかでもとくに魅せられたのが日本スピッツだったんですよ。それで今度、100CLUBで犬と暮らすファームをつくろうという計画が持ち上がったときに、もう一度原点に戻ってスピッツを飼おうと思ったわけです。しかしいまは、残念ながら良質の日本スピッツがなかなか見つからない。そこでもっとも日本犬の原初の形をとどめている犬、つまり秋田にしようと。じつは秋田犬も柴犬も四国犬も、日本犬の多くはみんなスピッツと同タイプ。起源は同じなんですね」
へぇ、へぇ、へぇ! わたしが子どもの頃、どこにでもいた白いぬいぐるみのような、あのスピッツが秋田犬と同じ仲間だったとは驚きです。
「去年の暮れに東北に旅したとき、縄文時代の生活を復元した博物館に立ち寄って、古代の日本人が飼い犬と一緒に埋葬されていたことを知ったんです。ああ、日本人って1万年も前から犬とともに生きてきたんだと思うと、どうしても日本犬の原初の形をそのままとどめている犬が欲しくなった。洋犬の多くは人間の手によって目的別に改良され、つくり込まれてきた犬種ですが、秋田にはそうした作為がほとんど入っていない。やはりこの犬しかないと」
ちなみに秋田犬の紀元は、日本がまだ大陸と地続きだった頃。馬などと一緒に渡来し、のちに東北地方の猟師マタギの狩猟犬や北海道犬との交配を経て、いまの形がつくられたとされています。100CLUBが計画しているファームでは、洋犬もそうした原初の形に近い犬種を選んでブリーディングを行っていくそうです。
一途で頑固、だけど日本犬はこわいというのは間違った常識
さっそくですが、2回目のワクチンが終わっていない珀を残し、虎と桜の2頭を引き連れて散歩に行ってきました。三軒茶屋の緑道を通って近くの公園を2つまわるコースですが、まだ4カ月、3カ月の子犬とはいえ、やっぱり秋田犬。その引きの強いこと。しかもコース選びに関してもなかなか頑固です。こっちと言ったらこっちなの!と桜はテコでも動きません。川邉さんは「もちろんしつけは入れますが、まだ3カ月で今が一番楽しいときですから、もう少しだけこのままにしておいてやりましょう」と涼しい顔。
2頭はそんなおおらかなボスの許しを得て、いまだけの自由気ままな散歩を楽しんでいました。仕上げは砂地の小運動場で、テニスボールを使ってのかけっこ。飼い主も一緒に走るわけですから、もう大変。運動量を必要とする大型犬としっかり向き合うのはほんと一仕事です。早くファームができて、芝生のドッグランで思いきり走れるようになればいいのにと思ってしまいました。そんなふたりですが、群れを大切にする意識はすでにあるようで、桜は虎が遅れたりすると立ち止まってじっと待っていたりします。もちろん虎の方もそう。
-->>秋田犬の魅力にもっと迫ります!