「怖いもの」「苦手なもの」の克服法
これからの時期、パピーたちは外に出てどんどん新しいものに遭遇し、「初めて」を体験することになります。そうしたときに、彼らにとって突然ソレが「怖いもの」になったり「苦手なもの」になることがある。そうならないためには、やはり飼い主さんの上手な対処、上手な「遭わせ方」が大切になってくるわけですね。「怖くないよ!」と優しく声をかけます
『ISSO』の外にはエンジンのかかった状態のバイクが用意され、一同は外へ。飼い主たちは愛犬とともに徐々にバイクに近づき、犬たちがバイクの側に行ってにおいを嗅ぎはじめたときにタイミングよく声をかけて安心させ、バイク本体やエンジン音が恐怖の対象ではないことを認識させていきます。
頼もしいですね~♪
積極的にバイクに近づいていく子もいれば、飼い主の側に寄り添いながら不安な気持ちと好奇心の間で行ったり来たりしている子もいます。ここで、積極的な子にはどんどん声をかけバイクが怖い存在ではないことを教え、臆病な子には飼い主が先にバイクに近づいて「ほら、怖くないよ」と勇気づけます。およそ時間にして10分、全員がバイクに慣れました。
本当にあった「怖いもの」からの解放
うちのアッシュ&ハービーは、いまでも躊躇して一瞬立ち往生することがあります。もちろん歳が歳ですから、わたしの「ジャ~ンプ!」のかけ声に、勇気を奮い起こし飛び越えてはくれますけど…。これは当家の2階の外がグレーチングの空中テラスになっているからで、彼らにとってはその高さがトラウマになって、すべてのグレーチング=「怖いもの」に結びついているのでしょうね。
あと一歩が出な~い じつは、この『ISSO』の1階にもグレーチングがあるのです。どうやらトリミングルームの水を外に出す流しがこの下にあるようなのですが、これは絶好のレッスン材料。須崎さんはここを「試練」の場所に決め、1頭ずつチャレンジしてもらうことにしました。
やはりほとんどの子がグレーチングの前では止まってしまい、どうしようかと困惑の表情。そこで、対岸にいる飼い主さんが「おいで~」と声をかけます。大好きなママやパパの側に行きたい一心で右往左往しながらも勇気を奮い立たせようとするパピーたち…。
街路でこれをやるのはちょっと気が引けますが、まわりに人がいないときなどを見計らって、繰り返しチャレンジしていけば、やがては「怖いもの」から解放されることでしょう。かわいい我が子のためにも、ぜひチャレンジしてみてください!
「やらねばならない」から「楽しんでやる」へ
最近は、ほとんどの雑誌が定期的にしつけの特集を組むようになりました。犬を新しい家族として迎えたらまずはしつけをするのが常識というわけで、ネットでもトレーニングサイトがどんどん開設されています。かく言うわたしも、ガイド記事でたびたび「しつけ」の大切さを訴えていますが、どうしても陥りがちなのは「やらねばならない」という義務感の押しつけですよね。犬を飼うことを真剣に考えれば考えるほど、この「must」感は強調され、若葉マークの飼い主さんたちはしんどい思いをされることがあるようです。
だからしつけ教室などで、「○○ちゃんは上手にできるのに、どうしてうちの○○はできないんだろう」と悩んだり、「もっとよい子にしなければ…」という焦りが出てノイローゼ気味になる人もいるのだとか。まじめな飼い主さんほどその傾向は強く、いつしか犬と真剣に向き合うことが苦痛になってしまうこともあるそうです。
でもそんなの本末転倒ですよね。「しつけ」の本来の目的は「楽しく犬と暮らすこと」にあるのですから! 楽しく暮らすことを目標としたレッスンは、それじたい楽しくなければ意味がありません。
須崎さんのレッスンは、そうした「must」なムードとはまったく無縁。あくまでも明るく楽しく、終始笑い声に包まれて進められていきます。楽しんでやらなければ身に付かないことは、アテネオリンピックのメダリストたちを見ても明らか。あまり「やらねばならない」と思いすぎないで、気軽に参加してみてください。今は、陽性強化を念頭に置いた、若くて柔軟なトレーナーさんも増えてきましたし、そうしたトレーナーさんが開くしつけ教室も各所で開かれています。サイトで調べて、これはと思う人にアクセスしてみてくださいね。
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