家族に一人はグルーミングができる人を 散歩の度に足と毛先をお湯で洗う 大切なことはやはり毎日のグルーミングでしょう。とにかくこまめなブラッシングは欠かせません。「1日でもコームを入れなかったら、とたんにあちこちに毛玉ができてしまいます。うちではお散歩の度に足と毛先をお湯で洗って乾かしてます。全身のシャンプーは2週間に1度ぐらいでしょうか…」(山田さん) らぷちゃんは今年で7歳ですが、驚いたことにこれまで一度もカットをしたことがないとか。こんなに毎日のお手入れが大変な犬種で、7年間一度も短くしていないとは、それだけで山田さんのらぷちゃんへの思い入れがうかがえるというものでしょう。 その山田さんも、最初はグルーミングの知識がなかったため、購入先のショップで定期的にお手入れをお願いしていました。ところが、あるときパットに傷をして帰ってきて、そのことをショップが隠そうとしたことをきっかけに、大切な愛犬のお手入れを他人任せにはできないと思うようになったのだとか。それから彼女は用具を揃え、独学で試行錯誤を繰り返しながら勉強を重ねていきました。 「兄弟を迎えてあげたかったけど、1頭を維持していくのも大変と思い直しました」と山田さん 「もしあのとき、トリマーさんに傷つけられなかったら、今でもきっと他人任せだったでしょう。だから、『ケガの功名』かなと思ってます。自分でグルーミングするようになってから、それまで気が付かなかったことが自然とわかるようになったし、この犬種のことをより深く知りたいと思うようにもなりました。それに体調の変化を見逃さなくなった。これはとてもよかったと思います」 と山田さん。やはりトリミングの必要な犬種の場合は、家族に一人はグルーミングができる人がいるといいですよね。今は犬種別にトリミングの講習会を開いているショップもあるし、犬種クラブやブリーダーさんが教室を開いている場合もあります。あまり深く考えないで、一度気軽に参加してみてはいかがでしょうか? 稀少犬種の維持のむずかしさ この小型犬ブームのなか、頭数が減っているラサ・アプソ、なぜ? さて、みなさん、ラサ・アプソを写真で見られていかがでした? わたしはらぷちゃんと直に会ってみて、穏やかな性格、コケティッシュなしぐさ、体臭もなくサイズ的にもコンパクトで頭の良いこの犬種が、どうして日本でマイノリティドッグなのかと首を傾げてしまいました。 JKCの登録頭数も、2001年には142頭だったのが、2003年には124頭と減少傾向なんだそうです。アメリカなど欧米のペット先進国では、シーズーに次ぐ人気なのに!なんと、このままだと日本からラサ・アプソの存在が消えてしまうような深刻な事態にもなりかねないそうです。 ラサ・アプソには特有の病気もない7歳になるらぷちゃんもほとんど病院知らず 「ドッグクラブ ラサ・アプソ ジャパン」の五十嵐さんによると、 「希少であればそれだけ犬の価値が上がる、と思われる人がいますが、これは誤りです。頭数が少ないというのは、むしろ弊害が生まれる場合が多い。よい交配をする機会が少ないわけですからね。今は、ラサ・アプソとは名前と血統書だけで、じつは雑種という例さえ見られるようになりました。ドッグショーに出陳されることも少なくなり、ブリーダーやジャッジですらラサ・アプソのスタンダードを見分けることができなくなりつつあります」(HPより) ダックスやプードルのように人気がありすぎることで起こる問題もありますが、稀少犬種には稀少犬種の維持のむずかしさがあるということを今回改めて痛感しました。 日本のラサ・アプソは、性格や外見的な魅力だけでなく、特記すべき遺伝性疾患もないそうです。らぷちゃんも7歳になる現在まで、ほとんど病気らしい病気をしたことはなく、病院には予防接種にいく程度とか。湿気の多い日本で、これだけの毛量があるにもかかわらず皮膚のトラブルもまったくなし。胃腸とかの内臓も丈夫な犬種なのだそうです。 新しく犬を家族に迎えたいと思われている方、ぜひ一度、シーズーの元祖犬ラサ・アプソのことを考えられてみては? ■「ドッグクラブ ラサ・アプソ ジャパン」 ■これまでシリーズに登場した犬種をちょっとだけご紹介しましょう↓ チェコの王族に愛された超小型犬、クリサジーク 世界最小の鳥猟犬、ブリタニー・スパニエル 人間っぽい犬種のNO.1は、フレンチ・ブルドッグ【編集部おすすめの購入サイト】Amazonで犬用のペットグッズをチェック!楽天市場でペット用品をチェック!前のページへ123※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。