「神々しい」という表現がピッタリの犬
ラサ・アプソについに会えた!
ハンドラーの傍で出番を待っている、毛色の違うラサ・アプソたち---まっすぐ前を向いてたたずむその凛とした姿には、まさに「神々しい」という表現がピッタリ! その気品にみちた美しさに、思わず目を奪われてウットリしてしまったことを覚えています。
ですが、大きなショー会場ではときどき見かけるものの、小型犬ブームと言われる今日でも、ペットとして飼われているラサ・アプソに町中で出会うことはついぞありません。そこでショードックではなく、普通の家庭にいるラサ・アプソを見てみたいという思いが強くなり、「ドッグクラブ ラサ・アプソ ジャパン」の主催者である五十嵐さんにお願いして、東京在住の飼い主さんをご紹介していただくことにしました。
毛だらけのベビーに一目惚れ
山田さんとらぷちゃんの出会いは、たまたま入ったペットショップ。山田さんは、タヌキのようなその子犬に、一目惚れしてしまったのだそうです。もちろんラサ・アプソという犬種の存在を知ったのも、そのときが初めて。
それまで一度も犬を飼った経験がなかった山田さんは、衝動買いしたい気持ちを抑えて帰り、最後まできちんと飼えるかどうか、ご主人とともに1カ月考えた結果、らぷちゃんを迎える決心をしました。なので山田家にやって来たとき、「彼」は生後4カ月をとうに過ぎていたそうです。
小さい頃のらぷちゃんの印象について山田さんは言います。
「ベビーの頃から知能が高く、わたしたちが試されているようなところがありましたね。たとえば排泄のマナーを教えているときも、わざとしてはいけないところにして、こちらの出方を見るといったような…。そんなこともあって、わたしたちがもっとしっかりしなければと感じるようになり、図書館で犬に関する本を何冊も借りて勉強するようになりました」
幸運を招く犬
アプソは「山羊」「毛深い」を意味するチベット語
ラサ・アプソの故郷は、チベットの山岳地帯。大変きびしい自然の中で古くから生きてきた犬種です。チベットといえば仏教の国というイメージのとおり、彼らは一般家庭だけでなく僧院や宮殿にいる僧侶や貴族たちにもかわいがられてきました。
修行僧の間では、死後の魂はラサ・アプソの体内に入ると信じられ、幸運を招く犬として大切にされてきたそうです。チベット仏教の統率者であるダライ・ラマによって中国の皇帝に献上されたという記録も残っているとか。その中国の宮廷で、ラサ・アプソとペキニーズを交配させて誕生したのがシーズーなのですね(ラサ・アプソは、シーズーの元祖犬でした!)
チベットでは命あるものが一番大切という教えが浸透している国なので、財産よりも命あるもの、そして家族の一員でもある犬は、とても大切にされているとのことでした。
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