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家庭動物サポート研究会ルポ!(2ページ目)

名古屋に生まれたNPO法人「家庭動物サポート研究会」(通称サポ研)。今回はそのサポ研が開いたシンポジウムから、集合住宅で動物を飼うことをテーマにした井本史夫先生のお話の抜粋をご紹介いたします。

執筆者:坂本 光里

上がったマンションの市場価値

井本先生の病院はたまプラーザにある 井本先生は言います。
「時間をかけて理解をしてもらうしかありません。自分にとって犬や猫がどれだけ大切かということを主張してもおそらく聞き入れてもらえないでしょう。でも、時間をかけ交流していくうちに次第に心もほぐれていきます。肝心なのは、つねにこちら(ペットの友の会)側から協力を働きかけていくということですね」

しかし、こうしたことを言うだけでなく実践して見せた井本先生の尽力で、先生の住んでいたマンションは近辺では「一番住んでみたい」マンションという“付加価値”がつき、年月を経ても価格が下がらなくなったそうです。
それって、すごいことですよね~。やっぱり動物と人間とが自然な形で共存できているというのは、それだけで「価値のある」ことなんでしょうね。
以下は、井本先生のお話を受けて考えた、犬ガイドとしてのわたしなりの「集合住宅で犬と暮らすための心得」です。

【その1】トラブルにしないための知恵

ペットを飼うことで生じる問題はズバリ3つではないかと思います。

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1.吠える…犬どうしをケンカさせない
2.不潔にする…排泄やブラッシングなどに関するルールづくり
3.こわがらせる…犬はつねにリードをつけて飼う

1.吠える
のを完全にやめさせろというのではありません。犬種によっては、外からの来訪者や不審者に対して吠える習性の強い犬種があります。そうした犬種にはしつけを入れても「完全に黙らせる」のはむずかしいといえますが、他人が我慢できなくなるほど----たとえば10分以上吠え続けるというのはやはり問題。飼い主が責任を持って「制止」できるようトレーニングを入れてください。
また、集合住宅で起きやすいのは出会い頭のケンカですよね。エレベーターの中、廊下、エントランスホールなどの共有スペースでは、こうした犬どうしのトラブルが生じやすいもの。エレベーターや廊下など他の犬たちと出会いやすい場所では、そうした点を踏まえた配慮が必要ではないでしょうか。

2.不潔にする
というのもペットを飼わない人がペットを嫌う大きな問題でしょう。とくにおしっこを好き勝手にさせたり(犬のオスはマーキングをします)、ウ○チを放置したり、ベランダで毛が外に飛び散るのもかまわずブラッシングをしたり、雨の日に泥だらけの足で廊下をベタベタ歩かせたりというのは問題の種。
これだから犬は嫌なのよと言われる原因をつくります。猫だって同じ。外に自由に出歩かせたりしていれば、思わぬところからおしっこのにおいを指摘されたりします。排尿排便はできるなら室内で、散歩のときにさせる習慣がついている犬にはあくまでも敷地外のお散歩コースで、とルールを決めるのがベターでしょう。

3.こわがらせる
犬嫌いの人にとって、犬とエレベーターのような個室に入ったり、至近距離ですれ違ったりするのは大きなストレス。うちの子は大丈夫だからというのがいつも通用するとは限りません。エレベーターに乗るときには必ず犬を抱く、廊下やエントランスホールなどでは必ずリードで人と接触しないようにする、などの配慮が必要だと思います。
そして万一なにかトラブルが起きた場合には、飼い主自身のほうから素直に謝ることが大切ですよね。

【その2】ルールづくりは全員参加で!

集合住宅でペットを飼うとき、覚えておかなければならない「最大のポイント」は、自分たちはペットを飼わない人たちに対して「責任がある」ということです。そしてそれは、飼い主たち全員が同じ意識レベルで覚えておかなければならないことだと思います。
そのために「ペットの会」をつくって全員がそれに参加し、ルールを設ける必要があります。そして、できれば共同でペットが汚した共有スペースを掃除したり、トレーナーを呼んでしつけ教室を開いたり、ときには獣医さんを招いて健康管理について話を聞いたりしていけば、よりよいペットとの共生環境が生まれることは間違いありません。
ルールづくりも大切ですが、ペットを飼う人も飼わない人も同じ隣人として、仲よく快適に暮らしていくことは、社会がペットを受け入れていくための大切なポイントとなるのです。

9時間もひとりぼっちにしないで!

img5都合のいいときだけかわいがられてもなあ… 言葉の意味はわかっていても、現実にペットを飼う前と後では生活は一変します。 最近は子どものいない夫婦の世帯が増え、それにかわってペットを飼う人たちが増加してきましたが、夫婦が共働きで日中は2人ともいないとなると、ペットがひとりぼっちでいる時間は9時間近くになることもあります。

とくに犬は群れで生活する習性のある動物、飼い主と離ればなれにされる不安はかなりのものです。そのためにストレスがたまって病気になったり、吠え続けて近隣に迷惑がかかることも…。また、しつけにとって一番大切と言われる幼犬時代をひとりぼっちで過ごさせるのは考えもの。後になって問題行動を生むことになりかねません。犬を買う前に、そうしたことも二人でよく話しあい、互いの勤務体系を見直すなどの配慮がほしいと思います。

家庭動物サポート研究会

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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