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しつけは信頼関係がなにより大切

犬のしつけに関しては、いろんな本が出ていますが、じつはよく中身を読むと少しずつ言っていることが違います。ですが方法論はさまざまでも、その根底にある考え方はひとつであるべき。では、その根本の根本とは?

執筆者:坂本 光里

前回に続いて、基本的なしつけの考え方についてわたしなりの意見を書いてみたいと思います。
犬のしつけ(トレーニング法)に関しては、いろんな本が出ており、専門雑誌などにも記事がよく出ていますが、じつはよく中身を読んでみると少しずつ言っていることが違います。ですが方法論はさまざまでも、その根底にある考え方はひとつであるべき。では、その根本の根本とは?

犬と飼い主は愛情あるしつけによって
固いキズナで結ばれる!


しつけの理想は「命令」ではなく「合意」

img1命令されて芸をする犬ではなく、
すすんで飼い主に従う犬に! 飼い主は犬のリーダーにならなければならないというのをよく耳にします。それはたしかにわかりやすいですが、どこか一方的な、犬に人間の都合に合わせて行動させるよう指示を与えるための命令系統と考えると、ちょっと違うんじゃないのと言いたくなります。

たしかに「マテ」「ツケ」「コイ」と、言葉は命令口調ですが、その裏には人と犬との信頼関係があるはずですよね。してはいけないことをさせるのは問題外でしょうが、飼い主さんが「わたしはこうしてほしいな」と思ったことを口にする、犬はその意図を組んでみずから進んでそれをやるというのが理想でしょう。

つまりしつけが「犬にとって嫌なこと」だったり、ストレスを生む原因になるようでは意味がない。犬は祖先がオオカミだから上下関係のはっきりした群れ社会にいることが精神的に安定すると専門家たちは言います。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしの例えどおり、あまりに露骨な上下関係の強要や「力で屈服させる」やり方には、わたし個人としては反対です。

一歩間違うと子犬が壊れる!

img2専門家であるはずのトレーナーでも
間違うことはある わたしの友人がテレビや雑誌で有名なトレーナーのしつけ教室に参加したところ、その日に限って愛犬の機嫌がいまいちだったのだそうです。
ところがいつもにくらべキビキビしないその子の態度に、カリスマトレーナーは「こういうときには人間の力を示さなければいけない!」と言って仰向けにさせ、キャンと言うまでぎゅうぎゅう押さえつけたのだとか。

結果、その子はそれまでにはなかった失禁が始まったそうです。カリスマトレーナーでも上下関係にあまりこだわりすぎると、こうした誰もが不信感を抱くような、間違ったトレーニング法をとることもあるという好例でしょう。
え?その犬はどうなったかって? 飼い主さんの「一緒にいる時間をうんと増やす」努力によって好転に向かいました。
そこで教訓!

信頼関係によるしつけを実践できるのは
トレーナーではなく、あなた自身である。


規律と遊びのほどよいバランス

img3尊敬できる飼い主になれれば
しつけは成功 それでは、望まれる犬との関係とはどういうものでしょう?
なかなか難問ですが、それはボーイスカウトの活動のようなもの、と言えばわかりやすいかもしれません。飼い主はボーイスカウトという集団(群れ)の年長さんのリーダーで、大きくあたたかく心やさしい「尊敬すべき対象」。
そして、そうした規律ある日々の生活の中でときには遊びやゲームを楽しみながら、犬たちはリーダーとともに生きていくという形がベストでしょう。規律と遊び、そのほどよいバランスが肝心だと思います。
逆にときに暴力をともなう過剰なしつけは「無理強い」となり「おしつけ」になることを知っておきましょう。

次回は、理想的な家庭犬のトレーナー選びの条件について、わたしなりの考え方を書いてみたいと思います。ご期待ください。

しつけの基本とパピーパーティ
しつけの基礎の基礎講座
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-今回登場してくれたモデル犬-
ラブラドールレトリーバー:メイちゃん
シェルティ:JJちゃん
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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