自分に一番合った子犬を選ぶことが大切!
テリアスはテリアを専門的に追求するペットショップ。馬込の1号店を皮切りに、麻布店、目黒店とその店舗網を広げてきました。いまはこのうち目黒店が一番の本部的な役割を果たしているようです。目黒通り沿いのお店は、シャンゼリゼのカフェを思わせるような深紅の壁面を持つお洒落な建物。表にはいかにもテリアというシルエットをかたどったマークが掲げられています。
エントランスを入ると、1階は手前にトリミング室とその奥にホテルとテラス。4つのトリミング台にはウェルシュテリアやレークランドテリア、シュナウザーなどが乗せられて、おとなしくカットされていました。ガラス張りのトリミング室は、明るく開放的。自分の愛犬がきれいに仕上がっていく様子を外から見ることができます。
テリアス代表の早河清五さんは言います。
「飼い主さんのお宅にすぐになじめるよう、リビングルームを模してこういうレイアウトにしました。子犬たちはここで他の犬種の子たちと遊んだり、僕の愛犬と遊んだり、人にさわってもらったりして、社会性を身につけていきます。うちはペットショップではなくDOG's PRO SHOPを標榜してるんですが、これは飼い主さんにお渡しする前に、室内犬としての基本的なマナーを入れ、家族の一員としてスムーズに受け入れられるよう、プロとして犬をつくっていくということを意味しています」
これは子犬を販売する立場の人(お店)にとっては、とても重要なことだと思いました。
テリアスはテリアグループの犬種を中心にブリーディングを行っていますが、外見だけでなく「内面のよさを重視している」そうです。内面のよさとは「物覚えがよく、無駄吠えをせず、人と暮らすのに適した性格」をいうのだとか。ドッグショーなどでは、外見も内面もその犬種のスタンダードが重視されますが、家族として迎えるには「暮らすのに適した性格」というのが、より大切なことのように思います。
「いま、追求しているのはノーフォークテリア。もとは狩猟犬ですが、人にも他の犬にもフレンドリーで、サイズ的にもテリア種の中では飼いやすい犬です。いま目黒店にいるのは、このノーフォークの赤ん坊たちですね」(早河さん)
そんな早河さんですが、犬を犬種で選別するのはあまりおすすめできないと言います。
犬種図鑑などには、よくこの犬種はこんな性格と書かれていますが、早河さんは「犬だって十犬十色ある。その子にはその子の性格があるから、犬種よりも血統の方がずっと大切」と言います。だから、そうした性格を重視したブリーディングを行うべきだとも…。
また、飼い主さんとの相性というのも大事で、テリアスではお客さんのライフスタイルから家族構成、家の造りなどを聞いたうえで、お宅には「この犬種のこの血統の子が最適ですよ」という提案をしているそうです。
たしかに今は、いろんな形のペットショップやブリーダーの犬舎があり、わたしたちはそのどこからでも子犬を買うことができます。どこかのCMのようにホームセンターのショーケースで目が合った犬を、借金してまで買って帰るというのもあるでしょうが、そんな4段5段にも重ねられたショーケースに生後30日40日の離乳したばかりの幼犬を入れて売っているところで衝動的に買うのではなく、ブリーディングについてもきちんとした哲学を持っているプロに相談をして、自分に一番合った犬を買う方が数倍「お得」ではないでしょうか。
あとで病気になったり、問題行動犬になったりして、よけいな出費が生じるリスクを考えると、けっして安く買えばいいというものではありません。最低限のマナーが入っていて、人間とうまく生活していける犬----そんな“手のかかった犬”が買えるようなショップを、テリアスに限らず、みなさんの目でよく選んでほしいと思います。
■DOG's PRO SHOP TERRIER's
http://www.dog-terriers.com/
目黒店
〒152-0004
東京都目黒区鷹番1-10-6
TEL:03(5768)3650
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