廣田さんは新しく家を購入したことをきっかけに、とにかく大きい犬が欲しいと思っていたのですが、ある日町でみかけたバーニーズに一目惚れしてしまい、バーニーズの子犬を扱っているペットショップを探し歩いたとのこと。そしてやっとの思いでジャックと巡り会ったのだそうです。
しかし新築したばかりのリビングの壁やドア、階段の角などは子犬のジャックにガジガジと囓られていつしかボロボロに……。廣田さんは何度も補強し直したそうです。ラブラドールやゴールデンなどと暮らしている方ならおわかりでしょうが、バーニーズも穏和とはいえパピーの頃は相当ないたずらっ子なんですね。
「迎え入れた後にこんなはずじゃなかったと後悔するのは、犬にとっても飼い主にとっても一番不幸ですから、事前に“大型犬と暮らす”リスクをしっかり考え、ある程度のいたずらは覚悟をしてほしいですね。『ま、いいか!』と思えるぐらいの気持ちのおおらかな飼い主さんが向いていると思います」(廣田さん)
日常の手入れとしてはブラッシングとシャンプー。耳の中をこまめにチェックしていつも清潔に保つこと。とくに換毛期には念入りにブラッシングしてあげるとよいそうです。子犬のうちにトリミングに慣らしておくことが肝心。成長してからだと、必死になってもなにしろ体重が40キロにもなる犬種ですので、おとなの男性でも手に負えなくなってしまいます。
また最初が肝心といえば、しつけに関してもそれは同じ。「子犬のうちはどんな犬種でも甘咬みは当たり前。でもチワワならある程度笑っていられると思いますけど、バーニーズのそれは小さな子どもが相手だったりすると怪我の原因にもなりかねません。飼い主さんはそのあたりを把握しておく必要がありますね」(廣田さん)
もうひとつ子犬のうちにしっかり身につけさせておく大切なことは、「とびつき」と散歩中の「ひっぱり」をやめさせること。バーニーズは成犬になれば体高が60センチ、体重だって40キロを超える超大型犬ですから、喜んで興奮するたびにとびつくといった行為はとても危険。またこの犬種は重い荷物を引く作業犬としてつくられた犬種ですから、「ひっぱる」という行為も徹底的に矯正しておかないと大変なことになっちゃいます。楽しいはずのお散歩が「恐怖の時間」になりかねません。廣田さんのお宅では、しつけにはかなり気を使ったそうで、まったく性格が違うジャックとローズはしつけにも違った方法でトライしたそうです。ローズの場合は誉めてしつける方法、ジャックの場合は話して聞かせるやり方がよかったとか。
超大型犬はストレスがたまると無駄吠えや破壊行動の原因になりますから、毎日しっかりたっぷり運動をさせてあげることが望ましいとのこと(ただし暑さには弱いので夏場は無理は禁物!)。ようはきちんとしつけを入れて、毎日しっかり運動させる!
これができない人には、超大型犬を飼う資格はないといえるでしょう。あと健康管理に関しては、やはり股関節の疾患には注意が必要。なるべく腰に負担がかからないような床にし、肥満には気をくばった方がよいと感じました。
お話をうかがっている最中もずっとご主人に甘えて、パパが一番というジャックくんに、ご主人も目を細めて「デキの悪い子ほどかわいいっていうでしょ? ジャックはまさにそんな子ですね」(笑)。反対にローズは男性よりは女性が好きなこともあって、誰よりもママが一番なんだそうです。わたしが写真を撮ろうとそばに寄ると、ふたりとも遊んでもらえると思って太い前足を前に出して懸命にアピール。大きな身体で「遊んでえ~」と要求する姿はほんとにカワイイ!
バーニーズに関するサイトを見ると、基本的なしつけさえきちんと入れれば、いろいろなライフスタイルに合わせて飼うことが可能な犬種だと書かれていました。記事を読んでバーニーズもいいなと思いはじめた人は、そうしたサイトを読んで性格や飼い方をよく研究してみてくださいね。
■バーニーズの主なサイト
バーニーズ通信
BERN STAR
■今までご紹介した大型犬に関するガイド記事
ボルゾイ
アフガンハウンド
■「BaniBani」の紹介ガイド記事