シングルファザーに優しい自治体はどこ？(2ページ目)

手当は母子家庭・父子家庭問わず、必要な家庭が受けられる制度にすべきでは？

子どもに泣かれて―俺も泣きたいよ……

Ｙ介さんは一戸建てのローンを、年収がアップしていくことを見込んで組んでいたので、収入が半減したことにより非常に生活が厳しくなってしまったと言います。役所で「ひとり親家庭のしおり」をもらったので、その中に書かれていた児童扶養手当を受給できるのかと思ったけれど、母子家庭にしか支給されないと聞きがっかりしたと。

収入の少ない母子家庭には国から児童扶養手当が支給されます。しかし、同じように収入の少ない父子家庭にはこの手当はありません。国に代わって地方自治体が父子家庭にも同様の手当を支給しているケースもあるのですが、残念ながらＹ介さんの暮らす自治体では、父子家庭への手当の支給は行っていなかったのでした。

日本一父子家庭に優しい自治体はどこだ？

国は、父子家庭の平均年収が390万円、母子家庭の平均年収が212万円ということから、父子家庭には経済支援よりも家事や育児支援が必要とし、児童扶養手当は母子家庭だけに支給するとしています。しかし、Ｙ介さんのように子育てと仕事の両立のために収入の低い仕事を選ばざるを得ないシングルファザーもいるのです。

そんなシングルファザーを救済すべく、収入の低い父子家庭に少しでも手当を支給する独自の制度を設けているのが以下の自治体です。

■父子家庭へ手当を支給している自治体

• 秋田県にかほ市
  
• 秋田県横手市
  
• 栃木県鹿沼市
  
• 茨城県牛久市
  
• 千葉県野田市
  
• 千葉県習志野市
  
• 千葉県習志野市
  
• 東京都港区
  
• 山梨県山梨市
  
• 山梨県笛吹市（09年度導入）
  
• 静岡県島田市
  
• 長野県飯山市
  
• 福井県越前市
  
• 滋賀県大津市
  
• 岡山県新見市
  
• 島根県出雲市
  
  ※これ以外にも父子家庭に手当を支給している自治体があるかも知れません。お住まいの自治体に問い合わせてみることをオススメします。

厚生労働省の調査によると父子家庭のうち年収が300万円を下回る世帯は35.8％にのぼります。私が見てきたシングルファザーで遅くまで残業し一般世帯の平均年収と変わらない稼ぎのある方は、殆どが自分の親と同居しており、つまり祖父母に子育てを担ってもらっています。親族に助けてもらえないシングルファザーの場合、シングルマザーと何ら変わりない生活状況になりますので、男手？１つで育てているがんばり・パパにも国から手当がもらえるよう制度改正を叶えて欲しいものです。