離婚/離婚後の生活

ひとり親家庭の親はなぜワーキングプアか?

ひとり親はなぜ低賃金・不安定なパート等で働かなければならないのでしょうか? ―例え今、ワーキングプアでも、数年先までを見越して職種や会社を選ぶことが大切です。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

家計を維持するため時間を切り売りするひとり親

離婚の影
子どもとの時間を大切にする方を選べば収入は少なくても我慢するしかない
離婚カウンセラーの岡野あつこです! 母子家庭の平均年収は224万円、このうち稼働所得は164万円。残りは児童扶養手当等の社会保障給付金です。一般世帯の579万円と比べてかなり低い額です。

このように、ひとり親家庭の親がなぜワーキグプアに陥るのでしょうか? それは雇用形態がパートやアルバイト、契約・派遣社員などの非正社員であり、因って低賃金で不安定であるからです。当事者の誰もが望んでその状態にあるわけではないでしょう。「止むを得ず」「仕方なく」「これ以外なくて」、憂える暇もなく、子どものため、家計を維持するため、自分の人生の時間を切り売りしているのです。

では、不安定な雇用形態からぬけ出せばいいと? もちろん、そうです。でも、それがなかなかうまくいかないから今の状態で働くしかないというパターンがほとんどではないでしょうか? 私はぜひとも前向きな気持ちで、何度不採用通知を手にしても、正社員になるべく就活をすればよいとは思います。或いは起業するという道を考えてもよいでしょう。しかし、あえてパートの道を選ぶ人もいます。また正社員を辞めてパートの道を選んだ人もいるのです。

なぜでしょう? 私はこれまでに多くの父子・母子家庭の方に、仕事についての相談を受ける機会がありました。その折いろいろな話を聞きましたのでまとめてみます。

■ひとり親はなぜ低賃金・不安定な非正社員として働くのか?
A.仕事と子育ての両立への不安・困難
  • 正社員だったが同僚より早く帰ることが多く職場いじめに遭って退職したから
  • 無理して正社員となり周りに気を遣ったり遣わせるよりパートの方が気楽だから
  • 時間になったらパッと切り上げて帰れるから
  • 保育園・学童保育の迎えの時間に間に合わせるにはパートにするしかないから
B.ブランクからくるスキルへの不安・困難
  • 専業主婦期間が長かったので正社員で採用される自信がないから
  • パソコンができないので責任のある仕事は無理そうだから
C.企業側都合
  • 子どもが小さい、ひとり親家庭という理由で不採用になったから
  • 正社員希望なら不採用、パートなら採用すると言われたから
  • 「試用期間後正社員雇用」という話だったが、「残業できないならパートで」と言われたから
  • ひとり親家庭の母親はまず正社員で採用されることはないと聞いたから
大体このような話が出てきます。確かにこれは1つの現実ではあります。でも前向きな私としては、いくらこれが現実でも、ひとり親だからこそ、ならではの「底力」がある・出るはずと信じているので、「私は一家の大黒柱。ひとりで子どもを育てる立場にあるからこそ、奇跡を起こしてみせる! ひとり親家庭=ワーキングプアの図式を打ち破ってやる!」こんなパワーを炸裂(笑)させて欲しいですね。

→次ページへ続く~先の先まで見越して、少しでも収入アップを目指して!
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