離婚/子どもの問題

子どもに離婚を伝えるとき……子どもの人生にまで、影響を及ぼす

親の離婚で傷つかない子どもはいません。その伝え方によっては、後々の子どもの人生を左右してしまうことも……。子どもにどう離婚をつたえたらよいのか、その注意点&伝えた後の心のケアはどうするのかについてお話ししたいと思います。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

<目次>

親の離婚で傷つかない子どもはいない?

子どもに離婚を伝えるとき

「昼間は元気だけど、夜おふとんに入ると涙があふれる……」

離婚・カップルカウンセラーの岡野あつこです! 子どもを持つ夫婦が離婚をするとき。離婚は夫婦ふたりだけの問題ではありません。夫婦の子どもにとっては、天変地異にも等しい人生における大事件です。どうなるにせよ、一方の親とは離れて暮らすことになってしまうのです。

「親が離婚することになるのは、もうわかっていた…」というケース、「信じられない……」というケース、家族によって状況はそれぞれでしょう。けれども、子どもへの伝え方によって、そのときからあとあとまで、子どもの気持ちや人生までの影響はまったく違ってきます。

親の離婚で子どもがまったく傷つかないということは、ほとんどありません。けれども、親は、可愛くて仕方がない大切な子どもを、できることなら少しでも、傷つけないように、つたえたいと思います。そこで5つの注意点を挙げてみました。
 

子どもに離婚をつたえるときの注意点は?

「わたしのパパ、生きてたんだ……」

「わたしのパパ、生きてたんだ……」

子どもに離婚をつたえる際、どう話すのかよく考えて、準備した上でつたえたいものです。

■子どもに離婚をつたえるときの注意点
  1. ウソだけはついてはいけない

    「パパは死んだ」「外国に行っている」などと幼い子どもにはつい言ってしまいそうになりますが、いくら離婚を説明してもわからないからといって、ウソをついてはいけません。あとで「ウソ」とわかったとき、親を信頼できなくなります。親を信頼できない子どもは、自分にも自信が持てなくなってしまいます。
     
  2. 別れた親の悪口は言わない

    夫婦はもともと他人ですし、別れたらまた他人に戻るだけ。けれども、子どもは両親から血を引いているのです。どちらかが悪いから離婚することになった、というつたえ方はNGです。自分は悪い親の血を半分引いているのだ、と自分自身を否定的にとらえてしまいます。
     
  3. 子どもはまったく悪くないとしっかり言う

    子どもの教育に関することで喧嘩をしたことがあったとします。そのことが離婚原因というわけではないのに、子どもは「自分のせいだ」と思ってしまうことも。また「両親を仲直りさせられなかった」と罪悪感に苦しんでしまうケースもあります。
     
  4. 別々に暮らしても親であることには変わらないと諭す

    子どもは、別れた親には「捨てられた」、と感じてしまうことも。「ママとパパは別れたけれど、あなたとパパはずっと変わらず親子だよ」「会いたくなったらいつでも会えるから」などと、話してあげましょう。
     
  5. 子どもの性格と年齢を考慮して説明する

    離婚原因や事実については、乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、それぞれの年齢で、どんな言葉を遣うか、どこまで理解できるか、考えて話しましょう。多感な時期、異性問題が原因だったなら、その親に対する嫌悪感をかなり長い間引きずることにもなります。子どもの性格も考慮して、慎重に。
夫婦がどんなに憎しみ合って離婚したとしても、親子の関係は、それとはまったく別なのだということを、忘れてはいけないのです。
 

離婚をつたえた後は、子どもの心のケアを忘れずに

子どもの気持ちを見つめて、抱き締めて……

子どもの気持ちを見つめて、抱き締めて……

子どもへの離婚の伝え方は、本当に難しいと思います。前頁の注意点を踏まえた上で、さらにこれまでの親子関係や子どもがその年齢でどんな感じ方をするのか? 子どもに理解させた上で動揺を最小限に抑え安心させてあげるには、どんなことを伝えたらよいのか? ということを、じっくり考えて欲しいものです。 

それから、子どもには子どもの社会である学校というものがあります。学校は、子どもの大事な1つの居場所です。その中で、親が離婚をすることで、もし姓が変わることになれば、周囲からの反応もあるでしょうから、精神的にも何らかの影響が生じます。

また、ひとり親家庭、離婚家庭の子どもが少ない学校では、孤立感、疎外感、不安を強く持つこともあります。離婚と同時に、転校することになる場合もあるでしょう。家庭環境も住環境も学校までも変わるというのは、心細さや大きなストレスを感じて当然です。

子どものいる方の離婚は、自分が落ちこんでいる場合ではないのです。子どもの心のケアを第一にして、子どもを見守ってあげてください。子どもを見つめていると、がんばっているその姿から、逆に勇気をもらえることもたくさんあります。「パパ、ママ、がんばって!!」。

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