親の離婚で傷つかない子どもはいない?
「昼間は元気だけど、夜おふとんに入ると涙があふれる……」
「親が離婚することになるのは、もうわかっていた…」というケース、「信じられない……」というケース、家族によって状況はそれぞれでしょう。けれども、子どもへの伝え方によって、そのときからあとあとまで、子どもの気持ちや人生までの影響はまったく違ってきます。
親の離婚で子どもがまったく傷つかないということは、ほとんどありません。けれども、親は、可愛くて仕方がない大切な子どもを、できることなら少しでも、傷つけないように、つたえたいと思います。そこで5つの注意点を挙げてみました。
子どもに離婚をつたえるときの注意点は?
「わたしのパパ、生きてたんだ……」
■子どもに離婚をつたえるときの注意点
- ウソだけはついてはいけない
「パパは死んだ」「外国に行っている」などと幼い子どもにはつい言ってしまいそうになりますが、いくら離婚を説明してもわからないからといって、ウソをついてはいけません。あとで「ウソ」とわかったとき、親を信頼できなくなります。親を信頼できない子どもは、自分にも自信が持てなくなってしまいます。
- 別れた親の悪口は言わない
夫婦はもともと他人ですし、別れたらまた他人に戻るだけ。けれども、子どもは両親から血を引いているのです。どちらかが悪いから離婚することになった、というつたえ方はNGです。自分は悪い親の血を半分引いているのだ、と自分自身を否定的にとらえてしまいます。
- 子どもはまったく悪くないとしっかり言う
子どもの教育に関することで喧嘩をしたことがあったとします。そのことが離婚原因というわけではないのに、子どもは「自分のせいだ」と思ってしまうことも。また「両親を仲直りさせられなかった」と罪悪感に苦しんでしまうケースもあります。
- 別々に暮らしても親であることには変わらないと諭す
子どもは、別れた親には「捨てられた」、と感じてしまうことも。「ママとパパは別れたけれど、あなたとパパはずっと変わらず親子だよ」「会いたくなったらいつでも会えるから」などと、話してあげましょう。
- 子どもの性格と年齢を考慮して説明する
離婚原因や事実については、乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、それぞれの年齢で、どんな言葉を遣うか、どこまで理解できるか、考えて話しましょう。多感な時期、異性問題が原因だったなら、その親に対する嫌悪感をかなり長い間引きずることにもなります。子どもの性格も考慮して、慎重に。
離婚をつたえた後は、子どもの心のケアを忘れずに
子どもの気持ちを見つめて、抱き締めて……
それから、子どもには子どもの社会である学校というものがあります。学校は、子どもの大事な1つの居場所です。その中で、親が離婚をすることで、もし姓が変わることになれば、周囲からの反応もあるでしょうから、精神的にも何らかの影響が生じます。
また、ひとり親家庭、離婚家庭の子どもが少ない学校では、孤立感、疎外感、不安を強く持つこともあります。離婚と同時に、転校することになる場合もあるでしょう。家庭環境も住環境も学校までも変わるというのは、心細さや大きなストレスを感じて当然です。
子どものいる方の離婚は、自分が落ちこんでいる場合ではないのです。子どもの心のケアを第一にして、子どもを見守ってあげてください。子どもを見つめていると、がんばっているその姿から、逆に勇気をもらえることもたくさんあります。「パパ、ママ、がんばって!!」。
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