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「合格者」と「不合格者」を分けるものは?(2ページ目)

決してできないわけではないのに、本番で失敗する生徒はいったいどこに問題があるのでしょうか?その心理的な違いを今回は掘り下げます。

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

学習・受験ガイド

マニュアル人間は失敗しやすい

ある日の授業。生徒が何か雑誌を見ながら印をしていたので、注意しようとしその雑誌を手に取ると、「彼女をものにする方法特集」。決め台詞がてんこ盛りです。下線が引いてあった「君と一緒にいると心が安らぐよ」という台詞にはさすがに私も笑いました。

彼は進学校の男子校出身者で、どうやら予備校内で好きな人がいるらしい。これは今の生徒に一般に見られる傾向ですが、何でも結果にいたる簡単な方法があると思っているようです。同じ方法を反復練習するのだけれど、応用されるとまったく考え方がわからなくなる。普段はとても優秀だと思える生徒が本番になると焦ったり、ちょっとしたことに動揺して、混乱し対処できなくなりパニックに。このような生徒が最近特に増えてきているように現場では感じます。人間関係が淡白で、喧嘩をして関係を深めるより、遠ざかろうとする傾向も感じます。

本番に強い生徒と弱い生徒の境界は?

本番で失敗するからといって、普段は勉強ができないわけではありません。むしろどの教師も認めるほどできる生徒が、本番で失敗してくることがあるのです。では、合格する生徒はどこが違うのでしょうか?人間として生物学的な能力は変わりません。心の持ち方が大きく影響しているようです。

センター試験の英語変更を見て、成功した生徒は「やった!」と思ったそうです。「失敗しやすい問題がまったくないじゃないか!」と勝利宣言をした一方で、失敗しやすい生徒は「出題形式が変わってる……」と若干のマイナス面を誇張してパニックに。どうしてこのような違いが生じてしまうのか?

最近特に現場で増えている現象は、「やたら質問をする生徒がいる」ということです。それも同じ生徒。「この動詞は他動詞か?自動詞か?」といった辞書レベルの質問から、「どこがでますか?」といった予言めいたことまで……。質問に対しては丁寧な対処が要求されるわけですが、私は自立させることを教育目的としているので、そういう生徒には辞書を引かせて自分で勉強することを教えます。まず、自分で調べることを教えないといけないのです。

つまり本番に弱い生徒の傾向を見ていると、「自分の頭で考えない」という共通項が見えてくるのです。

>>本番に強い生徒になるには?>>
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