大阪の観光・旅行/大阪関連情報

1800年の歴史を誇るまち「住吉」を歩く(4ページ目)

ターミナルシティの梅田やネオンサイン輝く道頓堀、ディープ下町な新世界など、大阪には多種多様な「まち」がありますが、今回は大阪きっての歴史を誇る「住吉」をご紹介!たまにはこんな大阪散策もいかが?

執筆者:陸奥 賢

7、池田屋本舗

池田屋本舗です。住吉界隈は戦災に合わなかったので伝統的な町屋・長屋が数多く残されています。じつは大阪にもこういう癒しスポットが沢山あります。京都や奈良だけではありませんよ!
さらに熊野街道を南下すると到達するのが池田屋本舗さん。手作り味噌のお店で、元禄年間(1688~1703年)に酒造業として創業しましたが、明治初期に味噌作りを始めました。明治、大正、昭和天皇にも献上された「住之江味噌」は住吉名物として有名です。熊野街道と住吉街道の四つ角にあって、表の屋根には住吉大社の高灯籠が置かれています。1892(明治25年)の建築ですが、白壁の虫篭窓など昔ながらの風情を伝える商家で、国指定登録有形文化財になっています。

8、住吉大社

太鼓橋(反橋)です。川端康成が母に抱かれながら渡ったという大阪を代表する名橋です。この太鼓橋を渡ると、国宝の住吉大社本殿へとたどり着きます。
池田屋本舗の前を通る住吉街道を西に向かうと、住吉大社へと到達します。創建211年。日本全国にある住吉神社の総本社で、海神の住吉三神(底筒男命、中筒男命、表筒男命)と神功皇后を祀っています。住吉造の本殿は国宝指定で、遣隋使や遣唐使は、大陸への航海に出発するさいは、必ず住吉大社に参詣しました。つまり住吉津(住吉大社)は、日本最古の国際港でもあり、シルクロードの日本の玄関口だったというわけです。

意外なエピソードとしては、おとぎ話の「一寸法師」は、子宝に恵まれなかった初老の夫婦が住吉大社に参って子供を出産し、その子供が住吉津から大阪湾、淀川、京にのぼって、武士になるために鬼退治をするという設定です。

また名所として知られる反橋(太鼓橋)は、慶長年間に淀殿が寄進したもので、長さ約20m、幅約5.8mの木造桁橋です。朱色の優美なシルエットが美しく、大阪府出身でノーベル文学賞を受賞した川端康成の自伝的小説「反橋」(1948年発表)では、「反橋は上るよりもおりる方がこはいものです。私は母に抱かれておりました」という名文句によって回顧されています。
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます