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「富裕層」が狙う海外移住とその実例(2ページ目)

巨額な資産を保有する富裕層の存在は、マスコミで多く語られていますが、その実態はあまり明らかにされていません。なぜなら海外移住最大の利点が、租税回避、税負担の軽減にあるからなのです。

千葉 千枝子

執筆者:千葉 千枝子

旅行ガイド

富裕層が海外移住をしたがるワケとは?

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本拠を定めず租税回避する「永遠の旅人」もいる
富裕層の多くは、「日本のひとつの銀行、ひとつの支店に3億円以上の預金をしない傾向にある」とよくいわれます。金融資産(動産)を海外に分散しているひとが多く、不動産に限らず、ダイヤモンドや金などの実物資産にかえてセーフ・ガードしているひとも少なくありません。

そうしたなか、「海外移住」の最大の利点は、租税回避税負担の軽減にあります。プライベートバンキングの先駆といえるスイスをはじめ、米国や香港といった他国のバンカーに資産の運用から管理をまかすほか、自らも海外転出をして、日本以外の国を「納税国」にすることで、運用益と税の軽減をダブルで見込むことができるのです。

日本の高い税率を避け「生活の本拠」を海外へ移すひとの数は確実に増えていますが、実態は闇のなかです。そうしたひとたちが日本のマスコミの取材に応じないのは、例え順法の範囲内でも、「税逃れをしているのではないか?」と、日本の税務当局から嫌疑をかけられるのを避けるためでもあります。
さらに、海外移住を果たした富裕層の特徴として、「おカネの運用先(国)と、自身の移住先、すなわち納税国が必ずしも一致しない」という点が挙げられます。例えば、自己使用目的の不動産を現地で購入する際、「日本以外の、第三国に置く銀行口座から送金して、決済するケースが多い」と地元不動産業者は口をそろえます。これは、海外移住をする富裕層の多くが、三通貨以上の通貨分散、すなわちリスク分散をしていることを、如実に物語っているといえます。


>>次のページは、「富裕層・海外移住の実例~オーストラリア編」です
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