海外暮らしを始める前に
「海外で暮らしたい」、そう考えているひとのための現地下見ツアーが花盛りです。ロングステイや半移住に踏み切る前の準備段階に、現地へ下見を兼ねて旅行するひとが増えていることが背景にあります。かつてバブルの時代は、現地不動産会社が企画して、物件視察ツアーなるものが流行りました。近ごろの傾向として、海外暮らしの任意団体が企画、もしくは旅行会社が企画・主催するツアーが目立ち始めています。
初めての土地だからこそ下見が必要 |
インド洋大津波の教訓
スマトラ沖地震のさい、旅行会社を通さないで現地入りした日本人の安否確認が困難を極めました。インターネットの普及により、航空券や現地滞在施設を自己手配するひとが急激に増加。その盲点をつかれた格好となったのです。3ヵ月以上海外に滞在する邦人は、現地の大使館ないし総領事館に在留届を提出するよう、旅券法で義務付けられています。ところが、観光ビザの範囲内で現地に滞在するひとがここのところ急増していることから、在留届を出すには至らない短期滞在者や自己手配による旅行者を、在外公館が把握できず援護に窮する事態となったわけです。
めっきり少なくなった団体旅行だが実は守られている |
確かに、世界的ネットワークがある旅行会社がお手伝いをしてくれれば、緊急連絡や言葉の問題も安心。実際、大手メガバンクはじめ銀行が発行している海外で使用可能な国際キャッシュカードも、旅行会社の在外支店と提携して、不意の事態に対応しています。
また旅行会社の催行ツアーは、旅行業法に基づく万一の補償の定めもあるため、安心できます。任意団体が企画した場合、責任の所在がどこにあるのかを確認することも必要です。