ブルーレイ勝利のファクターは?
■情勢が動いた今年初頭
今年に入ってから、ブルーレイ対HD DVDのパワーバランスは急速にブルーレイ側に傾くことになりました。これは米国の大手映画配給会社であるワーナー・ブラザーズがブルーレイを選択したことに端を発します。この動きの影響からか、米国の大手小売店「ウォルマート・ストアーズ」、そして、米国の大手オンラインDVDレンタルショップなどがブルーレイのみを扱うと決定しました。
コンテンツ、そして、流通の面から敗北したことで、大きく局面が動いたわけですが、その動きのそもそもの理由を理由はなんでしょう?そもそもコンテンツメーカーがブルーレイを選択したその理由は、容量とコンテンツ保護機能にあったと言えるでしょう。
■コンテンツメーカーが選択したファクターは?
より大きな容量があれば、同じ映像であれば、より高いクオリティで収録することができるというのはベーシックな理由ですが、これだけであれば、圧縮方式の進化である程度、補うことができるのですが、カバーできないのがコンテンツ保護機能です。
コンテンツ保護機能に関して、HD DVDがAACSを採用しているのに対して、ブルーレイではAACSに加えて、BD+、ROM MARKというコンテンツ保護機能を持っています。AACSはDVDのCSSと比較すれば、かなり高いコンテンツ保護機能を持っているのですが、世界レベルのハッカーは、すでにこれをハッキングし、HD DVDビデオをコピーすることに成功していました。
長期的にビデオコンテンツをディストリビュートしていきたいハリウッドとしては、これも不安なファクターだったのではないかと思います。
■参入メーカーの問題
あと、ブルーレイ機器とHD DVD機器を販売するメーカーを比較した場合、AV機器メーカーとして世界的に影響力の大きなソニーがブルーレイ陣営であることも大きな影響力を持っていたのではないかと思います。
次ページでは東芝のブルーレイに対して考えていた勝算について考えてみます。