鉄道/はじめての鉄道旅行

時刻表と一緒に旅に出よう!(2ページ目)

鉄道で自由な旅がしたい。でも時刻表の調べ方がわからないし、どれを買ったらいいのかわからない……そんな風に思っている方、意外と多いのでは?そんな皆さんを、まずは時刻表の世界の入口にご案内しましょう。

執筆者:高橋 良算

どんな種類があるの?

それでは、現在定期的に刊行されているおもな冊子型の時刻表をご紹介しましょう。冊子型の時刻表は、JRを中心に全国の情報を網羅した全国版、ある特定のエリアに特化した地域版とに大きく別れ、そのほかに私鉄各社が独自に発行しているものなどがあります。

全国版の時刻表
地域版の時刻表
私鉄各社の時刻表



■全国版の時刻表

全国版はたいていの書店で買えますし、大きいところでは時刻表コーナーが設けられていたりしますね。サイズにより大型・中型・小型の3種類に分けることができますが、「JR時刻表」と「JTB時刻表」の両誌は日本を代表する時刻表と言えるでしょう。

フェリーで船旅
時刻表があれば船旅だってできる
大型のものは情報量がとても豊富。列車はもちろんのこと、ロープウェーやリフト、高速バス、路線バス、遊覧船、フェリー、国内線・国際線航空ダイヤ……と、まるで「乗り物データベース」とでも言うべき存在です。ただし、それだけにその重さは約1kg。重い上にかさばるので、残念ながら旅先に持っていくには少々不向きですね。反対に中型や小型のものは軽くて持ち運びには便利ですが、サイズが小さくなるほど情報量が少なくなる、という欠点もあります。

そんなわけでガイド高橋の場合は、自宅で旅のプランニングをする時には情報量の多い大型のものを使い、旅先には中型あるいは小型のものを持っていく、といったように使い分けるようにしています。

【全国版大型】
  • 「JR時刻表」(交通新聞社・定価1,050円)
  • 「JTB時刻表」(JTBパブリッシング・定価1,050円)
  • 「文字の大きな時刻表」(交通新聞社・定価880円)
  • 「大きな時刻表」(JTBパブリッシング・定価1,300円)
【全国版中型】
  • 「コンパス時刻表」(交通新聞社・定価600円)
【全国版小型】
  • 「全国小型時刻表」(交通新聞社・定価500円)
  • 「JTB携帯時刻表」(JTBパブリッシング・定価500円)
※定価はすべて税込み。

■地域版の時刻表

掲載範囲が特定のエリアを中心とした内容になっているものです。全国版では割愛されてしまう運転本数の多い都市部の電車区間や私鉄線が詳しく載っているものや、観光客が乗らない路線バスなどを掲載しているものもありますので、そのエリア内だけしか旅行しない場合などには、携帯性の面からもかえって全国版より重宝します。

ただし、よほど大きな書店でない限り、基本的にはそのエリア内でしか販売されていません。計画をたてる時には全国版を使い、現地で地域版を購入して携行するという方法もありますね。
  • 「道内時刻表」(交通新聞社・定価500円)
  • 「My LINE東京時刻表」(交通新聞社・定価900円)
  • 「携帯全国時刻表」(交通新聞社・定価500円)※2
  • 「中部編時刻表」(交通新聞社・定価350円)
  • 「九州版小型時刻表」(交通新聞社・定価500円)
  • 「綜合時間表」(九州旅行案内社・定価500円)
※1 定価はすべて税込み。
※2 「全国」とありますが実際には関西圏中心の時刻表です。

■私鉄各社の時刻表

「小田急時刻表」「近鉄時刻表」といったように、大手私鉄の多くは冊子タイプの時刻表を独自に発行しています。ただし月刊ではなく、年に1回のダイヤ改正時などに発行されるものが多いようです。私鉄の場合には各駅ごとの時刻表やターミナル駅からのバス時刻、他社線への乗り継ぎ時刻の案内といった、より生活に密着した内容であるのが特徴です。

有料特急を運行する会社などでは、沿線の観光ガイドや車両ガイドが充実しているものもあります。ただ、近頃はそのほとんどが自社のWebサイトを持ち、Web上で各駅の時刻表を検索できるサービスなどに力を入れているので、一般向けに冊子型時刻表を発行する意義そのものは非常に薄れてしまっていると言えなくもありません。

鉄道の旅には、やっぱり時刻表!

時刻表で自由な旅を
時刻表片手に日本を見に行こう
今や携帯電話やパソコンを使えば、時刻・ルート・運賃といったものが瞬時に検索できる時代となり、重たい時刻表を持ち歩く必要もなく、いずれ時刻表はその使命を失ってしまうかのようにも思えます。大きな企業であれば各課に1冊購入していた時刻表も、今では経費削減のため総務に1冊しか置かなくなってしまったのだとか。実際、発行部数は年々減り続けているそうで、ベストセラーというのも昔語りになりつつある状況は否めません。

これらを時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、まだ見ぬ旅先の風景に思いをめぐらせながら時刻表をめくる時、数字の羅列であるはずの「実用書」が、私たちを旅へと誘います。旅情と時刻表、この結びつきは携帯端末では決して感じることのできないものでしょう。

皆さんもぜひ時刻表を知り、時刻表と一緒に鉄道の旅へ出かけませんか?



時刻表で作る、オリジナルの鉄道旅行
達人たちの時刻表サイトを集めています。

時刻表博士まっこうくじらのウェブサイト
時刻表検定試験で「時刻表博士」に認定された作者によるサイト。時刻表のことならわからないことはありません。
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