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恋愛と婚約、浮気の罪に違いはある?(2)(2ページ目)

婚約している場合、浮気により、婚約相手に対して賠償金を払わなければならない場合があります。どういう場合に婚約が成立し、浮気により、どれくらいの賠償金を支払わなければならないかについて説明します。

酒井 将

執筆者:酒井 将

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婚約は成立している

婚約は成立している
婚約指輪は返さなくて良いうえ、彼に対して損害賠償請求できる可能性が高いでしょう。
このケースでは、結納は交わされていないものの、お互いの親にも会い、指輪も渡しており、結婚式場の話もでているので、婚約の成立は問題なく認められるでしょう。しかし、彼の浮気により、結局、婚約は解消されてしまいました。以下では、その後の法的処理について考えてみます。

婚約指輪は?

まず、婚約指輪は、結婚することを前提に渡したものですから、婚約が解消されれば、もらったほうは、原則として返還義務を負います。しかし、今回のケースでは、彼が婚約破棄の原因を作ったといえるので、あなたは彼に婚約指輪を返還する必要はありません。

この理屈は結納がなされていた場合も同様です。今回のケースでは、結納はありませんでしたが、もし、彼からあなたに結納がなされていた場合、通常は、あなたは彼に結納金を返還しなければなりません。しかし、本件のように、もっぱら彼に婚約破棄の原因があるようなケースでは、あなたは結納金を返還する必要はありません。

賠償金・慰謝料は?

正当な理由なく、婚約を破棄した場合、破棄した側は相手に賠償金を払わなければなりません。今回のケースでは、どちらが婚約の解消を切り出したかは定かではありませんが、仮に彼の側から婚約の解消を切り出した場合、彼は正当な理由なく婚約を破棄していますから、あなたに賠償金を支払わなければなりません。

では、彼の浮気に愛想をつかしたあなたの側から、彼との婚約解消を申し出た場合はどうでしょうか?この場合は、あなたによる婚約破棄は、正当な理由があります。そして、この場合、婚約が破棄されてしまった責任は彼にありますから、彼が切り出した場合と同様に、彼はあなたに慰謝料を支払わなければなりません。どちらから、婚約破棄を切り出そうが、浮気をした彼があなたに対して、賠償金を払わなければならないという結論は変わりません。

金額は?

では、賠償金の金額はどの程度になるのでしょうか?まず、結婚準備のための費用(結婚式の通知等)を出したような場合には、その全額が損害になるといえます。次に、実際に出費をしたものではありませんが、結婚に備えて仕事を辞めたような場合に、退職しなければ、給与が得られたはずであり、得られたはずの給与分が損害になるのか、損害になるとしてどの範囲までかという問題が生じます。また、婚約破棄により、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料請求が問題となり、一般的には、婚約期間、交際の程度、婚約破棄の事情等により金額が変わります。ただし、離婚の場合の慰謝料よりは、一般には低いといえます。

このように、単なる恋愛にとどまっているうちは、法的な問題は発生しませんが、相手の信頼を裏切るような行為が認められる場合には、損害賠償の問題が発生します。ですから、一時の感情にまかせて、相手を期待させるような行動をとると、あとで思わぬしっぺがえしを食らう可能性があります。注意が必要です。

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・恋愛と婚約、浮気の罪に違いはある?(1)
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