暴力を原因とする離婚
暴力をふるわれたら医者に正直に申告してきっちり診断書を書いてもらいましょう。 |
しかし、夫婦間の暴力は、家庭内のことなので、目撃者がいないのが通常です。また、子どもが目撃者だったとしても、「お母さんがお父さんに殴られているのを見た」という子どもの陳述書を裁判に提出するのは好ましくありません。というのも、それにより父親と子どもの親子関係がゆがむ可能性がありますし、また、母親が子どもを裁判にまきこんで、強制的に書かせているような印象を裁判官に与えかねないからです。
そこで、きちんと客観的な証拠をとっておく必要があります。夫から暴力をふるわれたのならば、医者に行って、きちんと診断書をとってもらう必要があるでしょう。診断書は、裁判のときに重要な証拠になります。
DV防止法
また、暴力をふるわれて、生命・身体に重大な危害を受けるおそれがある場合には、DV法に基づいて、裁判所に保護命令の申し立てをすることができます。具体的には、加害者に対して被害者に接近することを禁止する命令(接近禁止命令)を出してもらったり、また、夫婦が同居している場合には、加害者に一定の期間住居から退去することを命じてもらうこともできます(退去命令)。そして、加害者が、これらの保護命令に違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることになっていて、保護命令制度の実効性が確保されています。暴力は、いかなる場合であっても決して許されることではありません。各都道府県には、配偶者暴力相談支援センターが設置されていますから、勇気を出して、被害を申告しましょう。
次のページでは、最近増加している逆DVについて触れたいと思います。