単なるいたずらとして見過すことはできない
以前なら、「いたずら」として見逃されていた行為も、実際に秋葉原のような凶悪事件が発生してしまえば、見過ごすわけにはいきません。たとえば、「○○小学校で無差別殺人をする」などという書き込みがなされれば、その学校は、授業や部活動を早めに切り上げて児童を集団下校させる必要に迫られるでしょう。学校周辺の警備を強化する必要もあるかもしれません。また、「○○駅を爆破する」などと書き込めば、駅職員が爆破予告のされた場所をくまなく調べたり、警戒要員を増やしたり、駅利用者を避難させたり、場合によっては駅構内への立ち入りを禁止するとか、安全が確認できるまで列車の運行を止めたり、車両の点検をしなければならないかもしれません。
このように、犯罪予告が掲示板に書き込まれるだけで、多くの人が多大な迷惑をこうむります。また、「○○を殺す」などというような、特定人に対する殺人の予告は、標的にされた人は相当なショックを受けるとともに、恐怖を感じて普段の生活ができなくなる可能性も高いといえ、きわめて悪質です。したがって、捜査機関としても、書き込んだ人物を突き止めて立件する必要に迫られます。
どんな罪になるのか?
では、上記のようなケースでは、書き込みをした人物は、どんな罪になるでしょうか。小学校や駅のケースでは、書き込みによって、それぞれの正常な業務が妨害されています。したがって、「業務妨害罪」という犯罪が成立し、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。また、殺人予告のケースでは、対象とされた人物に対する「脅迫罪」が成立し、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。軽い気持ちで「いたずら書き」をしただけで、このように犯罪者になってしまうのです。警察もプロバイダなどに、犯罪予告の書き込みを見つけた際には通報することを要請をしていますから、犯罪予告をすればすぐに逮捕されてしまいます。絶対にしてはいけないことです。
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