18歳未満の少女と性交渉するとどんな問題があるのか、あなたは正確に知っていますか?

児童買春と淫行

児童買春と淫行
18歳未満の少女との性交渉は一切許されないのでしょうか?
ケース1 
私(38歳)は、出会い系サイトで知り合った女子高校生(16歳)といわゆる援助交際をしました。女子高校生に5万円を渡してラブホテルで性交渉をしたのです。私は、どんな罪に問われますか?

ケース2 
私(20歳)は、現在、同じ職場のアルバイトの女の子(17歳)と真剣に交際しています。もし、私が彼女と性交渉をした場合、何か罪に問われますか?

児童買春の罪

まず、ケース1から見てみましょう。ご存知のとおり、18歳未満との援助交際(児童買春)は犯罪です。児童買春を正確に定義すれば、「児童あるいは児童をあっせんした者などに、対価を供与し、またはその供与の約束をして、児童に対し、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童 に自己の性器等を触らせること」をいいます。

ケース1で、相談者は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」第4条に基づき、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。

では、ケース2はどうでしょうか?

淫行の罪って何?

淫行の罪って何?
純粋な恋愛であれば、淫行の罪には問われません。しかし、年齢差がありすぎるような場合には純愛とは認められづらいでしょう。
多くの都道府県では、青少年保護育成条例のなかで、「何人も18歳未満の青少年に対して淫行またはわいせつな行為をしてはならない」と定めています。これが淫行の罪といわれるものです。

児童買春と異なり、「対価の供与」がなくても成立します。たしかに近年、援助交際をはじめとする大人による反倫理的な性交によって、青少年の健全な成長が阻害され、非行が誘発される事態が多発しています。ですから、これらの脅威から青少年を守るために「淫行の罪」は、必要な規制であるということができるでしょう。

しかし、現行の民法によれば、女子は親権者の同意があれば16歳から結婚できるとされています。この場合、夫は18歳未満の妻と性交渉をしたら、淫行の罪に問われてしまうのでしょうか? もちろん、そんなはずはありません。ここでいう淫行とは、性行為一般を指すわけではないのです。

どんな場合が淫行になるの?

では、どんな場合が淫行になるのでしょうか?有名な最高裁判所の基準によれば、

(1)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為
(2)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為

が淫行とされます。

淫行という言葉の通常の意味からすれば、広く性行為一般を指すようにも思えますが、それでは処罰範囲があまりにも拡大してしまうので、このように限定的に解釈されたのです。

恋愛感情がある場合は?

ですから、互いに恋愛感情が生じ、人格的な交流のある真剣な交際である場合には、18歳未満の青少年と性交渉があったとしても「淫行の罪」には問われません。ご相談の件でも、わずか3歳の年の差ですし、真剣に交際しているということですから、性交渉をしたとしても、「淫行の罪」に問われる可能性は低いといえます。

名古屋簡裁の判決!

平成19年5月23日、32歳の既婚男性が17歳の少女と性交渉をしたことが「淫行の罪」に問われていた事件で、名古屋簡易裁判所は、無罪判決を言い渡しました。この事件では、男性が既婚者であったため「妻子ある男の浮気、不倫であり、道徳的に非難されるべきことには異論がない」としつつも、男性と少女の間に恋愛感情があったことを理由に、「単に自己の性的欲望を満たすだけの目的」で性交渉に及んだとは言い切れない、と判示されました。「妻子持ちなら淫行に問える」というこれまでの捜査現場の感覚は見直しを迫られているのかもしれません。

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