裁判所から送られてきた訴状を無視してしまうと敗訴して給料を差し押さえられてしまう可能性すらあるのです。

欠席判決!

架空請求は無視してかまいませんが、裁判所から訴状や支払督促などの正式な手続書面が届いた場合には、対処しなければなりません。というのも、民事裁判では、訴状に書いてあることに対して、答弁書で反論をするか、裁判の期日に出頭して、反論を述べない限り、訴状に書いてあることを全て認めたことになるからです。つまり、訴状が届いたのに、これを無視して放置をすると、裁判所は、あなたに対し、「1000万円支払え」という判決を言い渡すことになります。これを欠席判決といいます。

強制執行されてしまう!

この欠席判決が出てしまうと、あなたは自分の財産を強制執行され得る状態におかれます。もしかしたら、あなたの勤務先に給料差押の通知が来てしまうかもしれません。判決が言い渡されてから2週間以内に控訴をすれば、高等裁判所であらそうこともできますが、欠席判決に「仮執行宣言」というものがついていると、控訴をしても強制執行を止めることができません。この場合、強制執行を止めるためには、別途、担保を積んで「執行停止決定」というものを裁判所に出してもらう必要があります。

弁護士に依頼しよう!

このように、訴状を無視してしまうと、大変なことになってしまいます。裁判の期日は、平日の朝や昼間に指定されるため、有給休暇でもとらない限り、勤め人は出頭ことができませんが、だからといって、無視してはいけません。きちんと出頭して、反論を述べるか、弁護士に依頼するようにしてください。ご相談の件の場合であれば、あなた自身が借用書に署名押印していないことを、あなた自身か、代理人としてあなたの依頼を受けた弁護士が、主張立証する必要があります。弁護士に依頼すれば、原則として、あなた自身が裁判所に出頭する必要はありません。なお、簡易裁判所での裁判の場合は、認定を受けた司法書士に依頼することも可能です。

裁判所からの正式な書面かどうか見極めるには?

ところで、裁判所からの請求であるかのように装った架空請求もありますので注意が必要です。では、裁判所の名を語っているだけの書面と本物の裁判所からの通知は、どうやって見極めれば良いでしょうか。

まず、送達方法で本物かどうかを見極めることができます。裁判所からの訴状などは、原則として特別送達という送達方法で送られてきます。特別送達というのは、受け取りの際に、署名と受領印が必要な送達方法です。特別送達の場合、封筒に「特別送達」と記載があります。ただし、例外的に、裁判所からの通知でも特別送達でなく、書留郵便で届く場合があります。どういう場合かというと、特別送達で一度送ったけど、不在などの事情で届かない、不在票にも反応がない、でも間違いなくその場所に住んでいる、休日など日時を変えたり職場に送っても届かない、というような場合です。書留郵便の不在票が入っていて受け取らなかったという場合でも、正式に送られたことになってしまいますから、この点は注意が必要です。

次に、中に入っている書類によって見極めることができます。本物の訴状の場合、訴状の写し、裁判所からの説明文書などが入っています。そして、説明文書には、「平成○○年(○)○○号」というように裁判所ごとの事件番号が書いてあり、また、担当裁判所の担当部署、連絡先、第1回口頭弁論期日の日時、答弁書の提出期限が記載されています。なお、どうしても本物の訴状か分からないので確認したい場合には、裁判所に電話して、事件番号で問い合わせてみるのが良いでしょう。このとき、書面に記載された電話番号に電話するのではなく、電話帳やインターネットなどできちんと正しい裁判所の電話番号を調べてください。というのも、偽物の訴状が送られてきた場合、書面にのっている電話番号も偽物のはずだからです。
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