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愛人の子、認知請求権は放棄できない!?(3ページ目)

認知とは、正式な夫婦ではない男女の間で生まれた子について、父親が法律上その子を自分の子であると認める手続きです。今回は、認知にまつわる諸問題について考察しました。

酒井 将

執筆者:酒井 将

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お金持ちが亡くなると、「私はあの人の子ども」ですと主張する人がたくさん現れることがあるそうです。中には、遺産目当てでウソをついている人もいるのかもしれません。

死後の認知は可能?

では、ケース2のように、既に父が亡くなってしまった場合でも、認知請求は可能でしょうか。実は、この場合でも、父の死亡の日から3年以内であれば、認知請求の裁判が起こせます。裁判では、公益的立場から検察官を相手に訴えを起こすことになっています。

死後認知の効果は?

認知の判決があると、その効果は、子どもの出生のときにさかのぼります。つまり、はじめから、法律上の父子関係があったことになるのです。そうすると、父が死亡している以上、子どもには相続権が発生します。ですから、父の遺産を相続できることになるわけです。

もっとも、死後認知の場合は、遺産分割の話し合いが済んだあとで、「実は私も相続人でした。」となる場合もあり、わざわざ遺産分割をやり直すのも手間がかかります。そのため、既に遺産分割協議が済んでしまっている場合には、認知された子は、土地や建物など、現物の分割請求はできず、自分の相続分に見合う価格を、他の相続人らから、お金で払ってもらうことになります。

なお、認知された子は「非嫡出子」ですから、相続分は正式な夫婦の間に生まれた子の2分の1となります。
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