暮らしの法律/よくわかる法律・裁判関連情報

賭け麻雀で負けても払わなくて良い?(2ページ目)

以前、賭け事で負けたお金は支払わなくて良い、と聞いたことがあるのですが、本当ですか?もし、本当に支払わなくて良いならば、すでにお金を払ってしまった後でも、返還を求められますか?

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

賭博は違法!

賭博でのお金のやりとりは無効ですが、だからといって払ったお金を返せとはいえません。
刑法では、賭博罪といって、賭け事をすると処罰されます。賭博罪は、50万円以下の罰金または科料であり、常習賭博罪は、3年以下の懲役刑に処せられます。賭け麻雀も、賭博であることに変わりはありませんから、あなたがやったことはつまり犯罪です。

公序良俗違反で無効

このように賭け麻雀は犯罪ですから、それにもかかわらず、裁判所が賭け麻雀による金銭の取立てを認めてしまっては、罪を科してまで賭博を禁止した意味がなくなってしまいます。そのため、賭博のように反社会的な行為に基づく契約は、「公序良俗(こうじょりょうぞく)」に違反して無効とされるのです。

つまり、賭け麻雀の約束は、無効です。よって、あなたは同僚に負けた分を支払う義務はありません。もっとも、支払わないことにより、同僚との仲が悪くなる可能性は否定できませんが……。

不法原因給付とは?

では、もしあなたが同僚にすでに負けた分を支払ってしまっていた場合は、どうでしょうか? 賭けの約束は無効なのだから、支払った分を返せと言えそうな気もしますね。

しかし、実はこれも認められないのです。これを不法原因給付といい、違法な原因(公序良俗違反)によって、いったんお金を支払った場合、その返還を求めることはできません。自分だって違法な賭け麻雀をしていたくせに、あとでお金を返せというのは虫が良すぎるでしょう、というわけです。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます