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旧朝香宮邸のアール・デコ展レポート

日本では珍しいアール・デコ様式の旧朝香宮邸を紹介。また、世界中にコレクターが沢山いるルネ・ラリックの香水瓶や皇室の記念品,ボンボニエール(ボンボンなどの砂糖菓子を入れる小箱)も特別展示いています。

執筆者:長谷川 貴子

香水塔<br> 
1932年アンリ・ラパンがデザインして、フランスの国立セーブル製陶所で製作された香水塔。 (c)東京都庭園美術館



目黒の東京都庭園美術館で「旧朝香宮邸のアール・デコ」と題して、アール・デコ様式の建築・内装の公開展をしています。さらに、ルネ・ラリックの香水瓶や皇室の記念品であるボンボニエール(ボンボン等、砂糖菓子を入れる小箱)も特別展示しています。
この催しは10月1日まで開催されています。
庭園美術館は1933(昭和8)年に完成した旧朝香宮家の邸宅を、美術館として使用しています。宮内省内匠寮(くないしょうたくみりょう)とフランスの装飾芸術家アンリ・ラパンやルネ・ラリックなどが参加して完成しました。「幻の建築」と讃えられたアール・デコ様式のこの建物は、今日に至るまでオリジナルの状態をほぼ完全に保持し、日本の近代建築史のうえで大変貴重な建物です。


東京都庭園美術館
(旧朝香宮邸)
(c)東京都庭園美術館
■1階は中庭を中心にしたロの字型のシンプルな平面で、東と南に面した部分は客室を中心にしたパブリック・スペースで構成されています。事務所や厨房などのある部分とは明確に区別されています。
2階は旧朝香宮家のプライベート・スペースとして構成され、全て洋間です。


■香水塔:庭園美術館のシンボルともいえるアンリ・ラパンのデザイン、セーブル窯で作られた香水塔。セーブル窯は「幻の磁器」とも言われ、国立窯として生産量は限定され、そのほとんどはフランス国家のオフィシャルギフトとされています。
朝香宮邸当時は、この陶器に香水を施し香りを漂わせたといいます。白色のセーブル製香水塔、黒漆の柱、モザイクの床、白漆喰の半円の天井ドームが華やかなアール・デコの空間を形作っています。

玄関

正面玄関
(c)東京都庭園美術館
画面をクリックすると拡大画面が見られます。
■1、正面玄関
大広間入口の女性像ガラスレリーフ扉。ルネ・ラリックの制作です。フランスで制作され日本に輸送されました。照明とともにその輝きを増しています。


室内

大客室
(c)東京都庭園美術館
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■1、大客室 (内装 アンリ・ラパン)
天井の中央には、ルネ・ラリック制作のガラス製のシャンデリアが輝きます。



小食堂
(c)東京都庭園美術館
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■2、小食堂(設計:宮内省匠寮)
朝香宮家の人々が食事をとるために集った食堂。



ルネ・ラリックの香水瓶

香水瓶
(c)東京都庭園美術館
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■1、香水瓶《サボテン》(ルネ・ラリック)(大分県蔵)ルネ・ラリックの得意とするモチーフのひとつ植物のなかから、サボテンをテーマにして作られた香水瓶。サボテンの突起が独特の質感を感じさせます。



香水瓶
(c)東京都庭園美術館
*画面をクリックすると拡大画面が見られます。
■2、香水瓶 《真夜中》(ルネ・ラリック) (大分県蔵)
星空を思わせる神秘的な美しいブルーが印象的な香水瓶。



香水瓶
(c)東京都庭園美術館
*画面をクリックすると拡大画面が見られます。
■3、香水瓶《牧神の接吻》(ルネ・ラリック)(ギャルリーグリシーヌ蔵)香水の黄金色を背景に牧神たちが際立っています。


香水瓶
(c)東京都庭園美術館
*画面をクリックすると拡大画面が見られます。
■4、 香水瓶《アンサンブル・ウビガン》(ルネ・ラリック)(ギャルリーグリシーヌ蔵)4つの小さな香水瓶を蓋のある丸いケースに収めたユニークなデザイン。


香水瓶
(c)東京都庭園美術館
*画面をクリックすると拡大画面が見られます。
■5、 香水瓶《銀色のケシ》(ルネ・ラリック)(ギャルリーグリシーヌ蔵)



次ページでは、ボンボニエールをご紹介します。
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