ワタから糸を、布を作る
木綿糸をつくる原料のワタの実を、写真で見たことはあっても、実際に触ったことのある人はあまりいないのではないでしょうか。そして、あのモワモワしたワタが、どうしてあんなに丈夫な糸になるのか、想像もつかないでしょう? ガイドもでしたよ!ワタを布にする工程はこちら。
ワタと種を分ける
ワタの実の中には、いくつもの種子が入っています。まず、それをとってもシンプルな器具で分けます。この作業、昔は子どももやっていたらしく、カンタンで面白い!
唐弓(からゆみ)。ベンベン弾きながら、弦の勢いでワタを打つ |
次に、ワタの繊維が均一になるように、ワタ打ちをします。手作業でワタを打つには、いくつかの方法がありますが、ここでは、
1 唐弓
2 ハンドカーダー
の二つの道具の使い方を教えていただきました。
弓を使ったワタ打ちは、腕力が必要ですが、なかなか威力があります。ハンドカーダーは、根気のいる作業になりますが、女性向き。
あのモワモワしたワタが、きれいに梳かれてフワッフワ、何倍ものカサに膨れ上がります。
ハンドカーダー。二つの面の間にワタをはさみ、すいすいと梳いてフワフワに |
打ったワタを一升枡の上に載せてならし、のり巻きのようにくるくる丸めます。これを「しの」と呼ぶそうです。これを使って、糸を紡いでいきます。
糸を紡ぐ(紡ぎコマ)
糸紡ぎの最も原始的な方法が、この「紡ぎコマ」を使ったやり方。右手でコマをくるくる回しながら、左手に持ったしのから引き出した繊維に撚り(より)をかけ、糸にしていきます。少しずつ繊維を引き伸ばし、撚っていけば、不思議! 切れずに、ちゃんと糸になるんです!
この作業、最初は難しいんですが、慣れると楽しくて楽しくて、止まらなくなっちゃいました。
紡ぎコマ。コレ1本だって、ちゃんと糸は紡げるのだ! ビックリ |
ワタから糸を作る原理を理解したら、もう少し丈夫な糸を、もう少しラクに作れる道具・チャルカの登場です。この器具、インドから輸入したものに改良を加えて使っているそう。シンプルな構造なのに、とっても使いやすい。紡いだ糸をカセにする機能もついています。
紡ぎコマで、紡ぎを覚えた人のうち、器用な人は、細くてキレイな糸をどんどん紡いでいくんですが、人一倍不器用なガイドは、その半分も紡げません。でも、この作業、面白いよ! ハマるよ!
織る(原始機)
ガイドは体験しませんでしたが、「織り」の方は、最も原始的な方法を使って、布を織ります。縦糸の端を柱につなぎ、腰で引っ張って、座ったまま織る方法です。複雑な機械がなくても、布って織れるんですね。しかも、昨日紡いだ糸を横糸に使っている! いいな~。