以前から「近所に超シンプルに暮らしてる人がいるの!」と聞かされていたI夫人のお宅にお邪魔しました。そのスッキリした暮らしぶりをご紹介させていただきます。
I夫人はご夫妻で韓国・ソウルから来日されています。お住まいは東京23区内の繁華な商業地域。オフィスビルとして使われていた建物の1、2階がショールームとオフィス、3、4階が住居になっています。I夫人は輸入商を営むご主人のアシスタントとして、幼稚園・小学生の二人のお子さんのママとして多忙な日々を過ごしています。
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生活の中心は、こちらの15畳ほどのLDです。大通りに面した部屋の向きは北と西ですが、腰高の窓がいっぱいに開けてあり、閉塞感はありません。このお宅の特徴は何といっても、出ているモノが少ないこと! これほど床がいっぱい見えるお宅もそうないのではないでしょうか。低い座卓とソファがありますが、ダイニングセットはありません。食事も食後のお茶も、お客様の接待もここでします。家具の上などに置く飾りは少なく、その代わり壁に絵や写真を飾るようにしています。そのため、床面だけでなく、家具の上の平面も確保されており、さらに広々して見えます。
また、窓のサイズが腰高なのに、あえて天井近くから床までカーテンを長めに吊っているのも工夫の一つ。カーテンはごちゃついて見えないよう、ベーシックな色の無地です。カーテンを閉めれば、壁一面がカーテンになるため、壁面が窓の大きさに切り取られることなく、天井を高く、部屋を広く見せてくれます。
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収納は壁面に集中させた造作家具に大半のものが入っています。といっても、背の高い家具はほんの一部で、ほとんどは目の高さより低いものばかり。照明はダウンライトと天井付けのシーリングライトのみ。存在感のある大きなペンダントタイプは使われていません。ともに視線をさえぎることがないため、壁がたくさん見えます。